今日、日本は変わりました。
国民の7-8割が今国会での可決に反対する中、安保法制が可決成立しました。
説明不足、国民不在、国民の声を無視する中で、限りなく違憲である法律のごり押し採決。
こんな形で、日本の立憲主義、法治主義、民主主義がいとも簡単に踏み躙られることに、強い怒りを覚えます。
国民はここまでこけにされてそれでもただ黙っていたら、日本国民は自ら国民主権を放棄することになります。
この安保法制に反対だという方は、可決されても反対の意思を言い続けること。
もう可決したたから、米国との約束だからと流されてしまうことは、決していけません。
声は届かなかったと、あきらめてはいけません。
これで終わりではなく、これから本気で日本の政治と安全保障を考えなくてはいけないのです。
そして日本の主権者は私たち国民です。
私たち国民の思いを反映させるのが、真の国民主権であり民主主義です。
国民主権、民主主義を本当の意味で国民・市民の手にするために、今後も政治を注視し、意見を発していって欲しいと強く願っています。
しかし、反対の声をあげている多くの皆さんに一つだけ、言いたいことがあります。
皆さんは、昨年末の衆院総選挙に投票に行きましたか?
きちんと政治に対して自分の意思を表したのでしょうか?
何だかんだ言っても、この政権を選んだのは私たち国民です。
結局のところ、昨年末の総選挙で史上最低の投票率で自公与党が圧勝した(してしまった)時点で、今回の安保法制の成立は決まってしまっていたわけです。
選挙の時にそんな安保の話はなかった、アベノミクスや経済・消費税が論点だったはずだ、という人もいるでしょう。
でも、昨年夏の集団的自衛権行使容認の閣議決定の段階で、安倍政権がこの手の安保政策をやりたいことは明白だったし、ある程度ニュースや政治を気にしていたならば、自公与党が勝ったらこうなることは昨年末の選挙の時に十分予測はできました。
日々の出来事・ニュースを広くきちんと入手し、自分自身でよくよく考えて精査・検証してみれば、その後起こることはおのずと分かったはず、十分予測できたはずなのです。
日本人は性善説をなんとなく信じている人が多いせいか、はたまた昔から政はお上に任せておけば良いと考えているのか、日本の政治はそう間違ったことはしないと楽観的に考えてるのかも知れません。
せっかく20歳以上の国民であれば誰もが参加できる普通選挙権があっても、きちんと行使しない人が国民の半分近くいるのです。
しかし、政治を甘く見てはいけません。
権力を甘く見てはいけません。
そして選挙を甘く見てはいけないのです。
多くの日本人が選挙に行かず、政治を疎かにして他人任せにした結果が、今回の結果だといえると思います。
そこのところをよく理解し、投票に行かなかったという方は強く反省して欲しいと思います。
今の日本の政治は、残念ながら選挙によってでしか変えることができません。
根本は、良くも悪くも「選挙」にあるのです。
今回のことも最終的には、前の選挙の結果によって決まったのです。
どんなに今になってデモや集会で反対の声を上げても、昨年末の時点でこの流れは決まっていた、すでに時遅しだった、といっても過言ではないでしょう。(デモや集会がまったくの無意味というわけではありません)
つまり逆に言うと、今の危険な政治の流れを決定的に変えるのは、選挙しかないのです。
次の選挙が大事なのです。
今回この安保関連の問題で、「安保法制反対」「政府・権力の横暴だ」「政治がおかしい」と感じた方々は、次の選挙には必ず行って投票をする。
政治に対して自分で考えた意思をきちんと表示する。
今回の自公与党の行動には反対だ、ということを投票で示す。
そのことを決意していただきたいと、心から強く思います。
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これは、別に国政だけの話ではありません。身近な県政や市町村においても、その根本は何ら変わりはありません。選挙で投票することは、権力を誰に与えるかを選ぶことであり、また私たちから集めた税金を何に使うかを決めることでもあります。ここで選ばれた議員によって、国・県・市町村の予算が決められるからです。数十億円、数百億円、国に至っては100兆円近い税金の使い道が決められます。それはすべて私たち国民の血税です。選挙に行かないことは私たちの財布から否が応でも納められている血税をどうぞ好き勝手に使ってください、というのと同じことです。選挙に行く一番直接的な理由は、億を超える税金の使い道を納税者自らが選択することだと私は考えます。そこをよく理解して、投票には多くの方に行って欲しいと常に思っています。
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そしてもう一点言っておきたいことは、今回のこの政治のごたごた騒動の問題は、基本的には自民党が一番責任がある、ということです。
「与党も野党もだめだ」「国会議員はちゃんと議論をして仕事しろ」「国会議員全体が悪いんだろう」と思っている人が結構多い気がしますが、今回の安保法制国会については自民党が一番悪い、それだけは言えます。
理由は、自民党が国会の大多数を占める国会の第一党だからです。
つまり、国会運営や議論の運び方、日程などは、基本的にすべて自民党が決めることができます。
国会運営についての責任は、自民党にあるのです。
最終的に野党の徹底的な反発・反抗を引き出し、国会を混乱させた責任は自民党にあるのです。
そして、衆院で3分の2以上、参院で過半数を占める自民党は、与党として圧倒的優位の立場です。
今回の安保法制に関わる国会の事案も、基本的に自民党は圧倒的優位にあるので、驕らず慌てず余裕をもって、謙虚かつ堂々たる対応をとるべきでした。
説明するべきところはきちんと説明し、野党の細かいつまらない質問だろうと丁寧に誠意をもって対応していれば、国民の信頼を得るとともに終盤にこんなに国会が荒れることはなかったはず。
議論がまったくかみ合わなかったのも、圧倒的優位にある自民党が横綱たる余裕を見せて野党側に歩調を合わせなかったからだ、と思っています。
自民党は、堂々とした横綱相撲を見せるべきでした。
確かに野党にも責任はありますが、最終的には国会最大政党である自民党に最も責任があります。
この国会の混乱は、数に驕りのあった自民党が自ら招いた事態なのです。
そこは、勘違いしないでいただきたいと思います。
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野党の長い演説や牛歩戦術などの時間稼ぎに批判が集まることがありますが、これは野党側に与えられた与党に対する数少ない抵抗手段です。野党は基本的に数で劣るため、多数決では常に不利な立場です。与党が何でもかんでも数の力で押し切らないように、フィリバスター(議事妨害)は野党・少数派に与えられた権利だとも言えます。アメリカなどでは、フィリバスターは少数派に与えられた権利としてとらえられ、どうしても採決を阻止したいときに使われます。しかし、フィリバスターは諸刃の剣でもあり、何でもかんでも議事妨害したら今度は野党が国民からの信頼を失います。フィリバスターは少数派にとっての最後の切り札なのです。
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さて、とにもかくにも安保関連法案は自公与党のごり押しで可決され、日本の立憲主義、法治主義、民主主義が根幹から崩されました。
私は1人の自由主義・民主主義者として、この法律に明確な反対を表明します。
やはり憲法の範囲を越える法律は、どんな理由があってもこの日本では許されません。
理由は何度も言ってきましたが、先の戦争において日本が戦争へと突っ走る原因の一つが、規則違反・越権行為から始まっているからです。
旧日本陸軍の満州事変における規則違反・越権行為が、その後の軍部独走の一番のきっかけだったからです。
そして満州事変の時も「自衛のため」「日本人を守るため」といって、陸軍は独断で部隊を大規模に動かしたのです。
日本は過去すでに規則違反・越権行為によって、大きなミスを犯しています。
だからどんな理由だろうとも、どんな喫緊の事態であろうとも、憲法改正を経ることなく憲法の枠組みを超える法律を作るという規則・ルール違反の行為は、絶対に許されないと私は考えています。
先の戦争で数百万人に及ぶ犠牲を出した日本が、戦争を真に反省するならば、これは絶対に守らなくてはならないことです。
私は今後も、この法律を廃止または停止することを目指し、なるべく動いていきたいと思います。
まずは司法の判断を仰ぐことになるだろうと思います。
今回の安保関連法が、違憲か合憲かの判断を求めることになります。
それも含め、政府内閣の憲法解釈変更の閣議決定が、憲法改正の最終決定をする国民が国民投票をする権利を侵している、権力が国民の権利を現実的に侵していることについて、司法の判断をしてほしいと強く願います。
日本の司法は高度に政治にかかわる事案は判断を避けたりすることが多いけれど、今回の安保法制については、司法は逃げずに判断をしっかり出して欲しいと思います。
そして、国民の皆さんは今後の政治の動きを必ず注視していってください。
この法律が、今後の日本を色々な意味で大きく変えることになるからです。
可決成立したからと言って、今すぐどうこうということはないとは思います。
なぜなら、今の自衛隊には海外へ派遣し十分活動できるだけの準備が整っていないからです。
しかし、数年かけて自衛隊の準備が十分となれば、世界のあちらこちらへと自衛隊は派遣されることになります。
集団的自衛権行使にしろ、国連平和維持軍の活動にしろ、武器を持って他国の領土・領海・領空に入っていったその時、私たちはそれが単なる武力行使だったということを理解すると思います。
そしてそういった中東やアフリカなどへの日本の武力行使に対する反発・恨みの連鎖が、自衛隊員の生命の危険のみならず、日本国内におけるテロ行為を誘発し、身近な家族や知人の生命も危険にさらすことになります。
その恨みの連鎖へと日本全体が巻き込まれていくことになるのです。
また、中国とは尖閣諸島や南シナ海等で軍事的に対峙することになり、お互いの国民感情を刺激して対立を深め、日本が紛争・戦争へと近づいていくことになるでしょう。
私たち国民は、それらの覚悟が本当に出来ていたのか?
この法律が嫌が応にもその覚悟を求めるものだったと、後々気付くことになると私は推測します。
最後に何度も言いますが、この暴挙に怒りを覚えた方は、その思いを忘れることなく、あきらめずに今後の反対運動を続けていって欲しいと願います。
あきらめたらそこで終わり、彼ら権力者の思うつぼです。
日本の立憲主義・法治主義・民主主義を再び確立するために、私も頑張っていきたいと強く決意します。
m(_ _)m