若者の皆さんへ、選挙へ行く意味を考える

(2016.7.19. 加筆)

ちょっと私には難しいタイトルだったかな?と思いますが、ちょっとだけ頑張ってみます。(^ ^;;

先日、19歳の知り合いが、「今年から選挙権が得られたけど、正直選挙なんてよくわからないし、行く気もない」と言っているのを聞きました。
これはまずいなぁと思いつつ、確かに10代じゃ政治なんてよくわからなくて当たり前か、とも思いました。
なので、若い方が少しでも選挙に行ってみよう、というか行かなくてはと思う、選挙に行く意味を勝手に考えてみようと思った次第です。



そうですね…、単刀直入に結論を言ってしまうと、選挙は行かないと損をする、ということです。
多くの皆さんがいまいち理解してないと私が思うことは、選挙というものはお金の話に直結するという事実です
なにしろ、選ばれた議員さんはその組織の予算を決める、つまりお金の使い道を決めるのが、第一の仕事だからです。
議会は、地方自治体であれば数億~数百億円、国に至っては100兆円近いお金の使い方を毎年決めています。
選挙とは最終的に、税金として集めたみんなのお金をどう使うのか決めること、です。
(そもそも選挙というか近代議会政治の起こりは、大航海時代に危険を冒して成功した大商人や貴族たちが国家へ多額の税金を納めているのにも関わらず、税金の使い道は国王が独断で決めていることに不満があったから、成立してきたものです。現在の民主主義では税金を納めている納税者であれば、その使い方に意見を述べることができる、という考えが根本にあります。それは額に関わらず意見を言えます。18歳であっても仕事をしていれば税金を納めているし、仕事をしてなくても物を買えば必ず消費税という税金を誰でも納めています。ですから、若い人にも税金の使い方に意見を言う資格はあるのです)
それ以上でもそれ以下でもないと、私は考えてます。

さらに若い世代の方々に警告することは、若者は投票に行かないと絶対に損をするということです。
残念ですが、これは明白な事実です。
だから損をしないためにも、若い方、特に今回から選挙権を得られた10代の方々は、必ず投票に行ってほしいと思うのです。



若い人は選挙で投票しないと損をするという話は、誰に投票したとか、どこに票を入れたとかの問題ではありません。
単純にいうと、投票率の問題です。

とっても残念な話ですが、政治家っていうのは選挙で当選してなんぼの職業です。
自分が当選するためには、それなりにあの手この手の策を打たなければなりません。
その一つが、高齢者世代へ向けて政策をアピールすることです。

つまり、高齢世代と若年世代では選挙の投票率が違います。
高齢世代のほうが投票率が高いのは、明白でしょう。
では、選挙で勝ちたい候補者は、高齢世代に向けた政策と、若年世代に向けた政策、どちらをアピールするでしょうか?
当然ながら、候補者は若い世代向けの政策よりも、高齢者が喜ぶような政策を強くアピールすることになります。
具体的には、高齢者向けの補助金とか、年金や医療、介護保険の話などの高齢者が気になる政策を選挙公約としてアピールするのです。
逆に、投票率の低い若年層向けの政策は二の次となるので、若年層が喜ぶような教育や就労や最低賃金といった政策は、なかなか公約には上がってきません。
となると、高齢者向けの政策は大々的な公約となっているので実現され易いのですが、若年層向けのものはあまり実現されない、、、つまり予算(お金)は高齢者に向けて多く使われることになります。
すると、若者はきちんと税金を納めていたとしても、自分たちへ向けた政策はなかなか行われない、ということになります。(年金ももらえるのか分かりませんし)
一方、高齢者は税金をあまり納めていなくても手厚い保護・補助などが受けられることになるので、高齢者層と若年者層とでは世代間で社会保障上の格差が生まれてくるのです。


また、現在日本が抱えている1000兆円を超える多額の公的な借金は、これから未来を担っていく若い人たちが、税金を払って返していくことになります。
高齢者は仕事が定年を迎えていれば収入はほとんどないので、所得税はほとんどかからず、税金はそんなに払っていません。
それと失言で大変申し訳ないのですが、高齢者は老い先短いので現実的に長い期間国の借金(税金)を払っていくことがありません。
となるとこの1000兆円を軽く超える日本の借金は、必然的に若い方々とその先の将来世代が大きく負担を背負っていくことになるのです。


そんなのヤダ!、何とかならないの?、と思う若い皆さんは、ぜひ投票に行ってください。
仮にもし、若年層世代の投票率が今よりも倍となって、高齢者層とさほど変わらない投票率になったとします。
そうなったら政治家・候補者は、今度からは若年者層を無視できなくなるのです。
自分が当選するためには、高齢者層だけでなく若年者層に受け入れられるような政策、公約をアピールしなくてはならないからです。
そうすれば、若者向けの政策が増えていき、予算(お金)が若者へ振り分けられることにもなります。
また、若年者層と将来世代に受けが良くなるように、将来背負っていく国の借金の負担を少しでも減らすため、資産を持つ高齢者からはなるべく税金を取ったり、高齢者への保護や補助を減らしたりと、若年者層にとってはプラスな政策が行われていく可能性がでてくるのです。


とても残念な話をしてきましたが、これが「選挙」の現実です。
「お金の使い道を決める」とは、結局はこういうことなのです。

ですから、若い方々には必ず選挙に行って欲しいのです。
政治が良く分からなくても、誰にどこに入れれば良いのか分からなくても、とにかく投票にだけは行きましょう。
誰に入れたかはあまり重要ではなく、どれだけの若者が政治に興味を持っていて、どれだけの若者が投票に行き、どれだけ票が動くのか?、という潜在票を見せつけることが大事なんです。
つまり、最終的には投票率が政治に対し物を言ってくるのです。
それだけで政治は動き、少しずつですが変化していきます。
(最悪は何も書かずに白票を投じても良いのです。白票なら投票率は下がりませんから)
そして投票に行かなければ、「若者は政治には興味がない」と切り捨てられ、国や自治体からは「声を上げない(投票に行かない)んだから、こちらが何をやっても何を押し付けても無言で承認してくれてるんだよね」と、都合よく解釈されて借金を押し付けられるだけなのです。

自分にとって直接的にプラスかマイナスか?という選択肢は、投票の指針の基本だと思います。
別に恥ずかしいことでも、かっこ悪いこと、変なことでも何でもありません。
人間の選択なんて、決してきれいなものだけではありませんし。
逆にとてもシンプルで分かりやすい選択肢だと、私は思います。
こういう考え方、やり方もありなんだ、と思っていただければ十分です。
是非とも、投票に行って欲しいと思います。



そして、せっかく選挙で投票に行くのであれば、少し政治について調べて知識を身につけて、自分でしっかり考えて候補者を選んでいただければ、さらに素晴らしいことだと思います。
今の政治は、問題や課題が多方面に多様化しているので、とっても分かりづらいという面があります。
しかし、自分に身近なこと、興味がある問題をとらえて、その中で政党や候補者を絞る判断してみる、というのも良いと思います。
(ざっとあげると、震災復興や災害復興、原発、憲法改正、中国や北朝鮮などの対外的な問題、集団的自衛権などの国防安保、米軍と沖縄、TPP、経済と金融、労使契約や労働環境、少子高齢化、持てる者と持たざる者や世代間・正規不正規などの格差問題、所得の再分配、教育の問題、借金ふくめた財政・税制の問題、行政政府や地方と中央などの政治改革、環境問題などなど、実に多種多様できりがありません。この中で何に注目するかは各人の考え方によるでしょう)
(ちなみに私の政治観についてはここでは述べません。気になる方は私の過去の記事を見てください)

せっかくですから、ちょっとだけ政治問題を調べてみて、大切な1票を有効に使っていただければ、なお幸いです。
(ヤフーなどの選挙特設ページで、各党の公約の違いを分かりやすく表にしているところもあります。そういうサイトを参考にするのも良いです)


雑文と失言、誠に申し訳ありませんでした。
m(_ _)m
追記です、、。
各社の世論調査を見ると、今回の参議院選挙の投票率は、やはりいまいちのようです。
なので、お節介にもう一言あげておきます。


さてあなたは、今の生活や環境、自分が置かれている状況に、不満や不安はありませんか?
もし少しでも「不満や不安はある」と思うのであれば、投票に行くべきだと、私は考えます。

「選挙なんか行ったって、何も変わらない」
「たった一票投じたって、動かないでしょ」
「私が行こうが行くまいが、結果は変わりゃしない」
と、投票に行かない人の大多数が、そう言います。
しかし、私に言わせれば、そのあなたが投票に行かないから、政治は何も変わらないのです。
社会に不満や不安がある方が投票に行かないから、社会は何も改善しないのです。

社会を変える力があるのは、今の日本では選挙しかありません。
良くも悪くも選挙が一番手っ取り早いのです。
選挙にはそれだけの強い力があります。
(結果はどうあれ、イギリスの国民選挙を見てください。あれでイギリスはがらっと変わりました)

今の社会の在り方に漠然とした不満や不安を持っている方は、かなりの数いるはずです。
この「漠然とした不満、不安」をなんとかしたい、どうにかしないとまずいのでは?、と少しでも思う方は、是非とも参院選で投票してください。
そう思う方が、ほんの少し行動するだけで、世の中が、日本が、世界が動くのです。

選挙とはそれだけの力があり、また私たちのように恵まれた民主主義国家では、18歳以上の全国民に平等にこの権利を与えられ、自由に行使できます。
(世界を見渡せばこの普通選挙が自由に行使できない国が、世界の半分くらい存在します…)
その権利を、日本が、この社会が少しでも良くなるために、是非とも使っていただきたいのです。

投票率が60%、70%…と上がるたびに、日本はきっと良い方向へ向かうと、私は信じています。
雑文失礼しました。m(_ _)m

同じカテゴリー(その他)の記事
 裏金問題、申告ボイコットより投票に行く決意をしよう (2024-03-29 17:56)
 再考、新型コロナ予防とオミクロン株の話 (2022-01-06 10:27)
 生き難い世の中に送る、老子のことば (2020-12-31 12:31)
 肚をくくる時、コロナ終息はおよそ2年と見るべき (2020-03-27 13:02)
 コロナ等飛沫感染症予防の話 基本は「手洗い」 (2020-02-29 00:45)
 匿名のつもりで何気なくアップするネット発言にご用心を (2019-09-16 11:47)
 Y!ブログの過去記事アップについて (2019-03-03 18:14)
 決断科学の話2 リーダーに必要な素養とは? (2018-06-25 23:08)
 決断科学の話1 より良い決断をするための思考法 (2018-03-07 19:16)
 北朝鮮のミサイルな話 (2017-10-16 21:10)
過去記事
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 1人
アクセスカウンタ
< 2024年05月 >
S M T W T F S
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
プロフィール
松宮 湊人
40代、男、既婚、会社員。
カミさんが言うには、変わった性格だそうです。
QRコード
QRCODE
インフォメーション
長野県・信州ブログコミュニティサイトナガブロ
ログイン

ホームページ制作 長野市 松本市-Web8