北朝鮮のミサイルな話

松宮 湊人

2017年10月16日 21:10

(2019.3.28. 加筆・修正)

平成29年8月と9月、北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、2回とも似たようなコースで日本の北海道南部を越えて太平洋に着水しました。
その際、北日本では二度の全国瞬時警報システム(Jアラート)が作動し、飛行ルートに関わる地域、北海道から関東、中部地方にわたる地域にて防災無線からの警報が、朝から各地で鳴り響きました。
それを受け、各メディアはミサイル関連で大騒ぎ。
政府も強い口調で北朝鮮への非難を繰り返していました。

ざっと一連のメディア情報を見てみましたが、何だか危機を煽るだけで具体性を欠く情報ばかりが流れていました。
政府からも北朝鮮をただ非難するばかりで、どうにも具体的でない話ばっかり。
この件によって現政権が真面目に政治やってますよ、という宣伝になってしまっている観もあります。
「もうちょっとましな情報はないのかね…」とげんなりします。
このげんなり具合のせいで、多くの人々に過去の津波警報などと同じような、狼少年効果が出なければ良いのですが…。

さてせっかくなので、北朝鮮の情勢とミサイルに絡んだ話を、勝手ながら素人なりで具体的に考えてみようかな、と思います。
あくまで素人の意見ですので、いつも通り参考程度にお願いします…。



まず北朝鮮のミサイルと核兵器などの問題ですが、そもそも向こうから見ると基本的に日本は関係ない話だ、ということはきちんと頭に入れておいてください。
北朝鮮の仮想敵国は、アメリカと隣国の韓国です。
核兵器もミサイルも、基本的にはアメリカと韓国、特に核はアメリカ本土を攻撃するためのものです。
ですから、北朝鮮の立場からするとミサイル発射について日本がぎゃーぎゃー騒ぎ立てるのは、どうでも良いと思っています。
日本が非難したり激しく文句を言っても、基本的に効果はありません。
やらないよりはやった方が良いかもしれないけれど、無視されて焼け石に水だということは、初めから理解しておかないといけないでしょう。


しかしながら、北朝鮮が本気でアメリカをミサイル攻撃…、となると日本は無関係ではいられません。
なぜなら、アメリカ本土をミサイル攻撃すると共に、米本土への攻撃を成功させるための撹乱を起こすため、日本や韓国へ向けて短・中・長距離を含めたミサイルを、あるだけ一斉に発射させるからです。(韓国へは砲撃も加わります)
その数はたぶん百発は下らないでしょう。(一説には200発以上あるらしい)
そのうちの半分(50~100発?)くらいが、日本を標的に飛んでくると思われます。
米軍の撹乱が目的ですので、狙いは主に在日米軍基地になるでしょう。
他に東京や大阪などの大都市、自衛隊の駐屯地や基地、原発施設などが狙われる可能性があります。
自分が住んでいる地域の近くに基地など狙われそうな施設がある方は、それなりの覚悟と対応が必要になるかもしれません。
また北朝鮮からその地域への射線上にある地域も、注意が必要です。
もしミサイル迎撃が成功したとしても、多くの部品などが地上にばらまかれる可能性があるからです。
その中に弾頭(殺傷破壊を目的とした爆発する部分、爆弾の大元)そのものが破壊されずに落ちてくる可能性もありますので、基地や都会から離れているから、と安心しないでください。
そもそも、北朝鮮のミサイル自体の命中精度がどの程度か分からない部分も多いので、あらぬ方向へ飛んでく可能性もあると思います。
と考えると、もし北朝鮮のミサイルが本格的に飛んできたら、狭い日本ではほぼ全国に被害が及ぶ可能性があり、全国的な警戒が必要になるといえます。
(ここ信州では首都圏や横須賀の米海軍第七艦隊司令部あたりを狙ったミサイルが迎撃されたり失敗などで落ちてくる可能性がある、と見るべきです)

ですからJアラートが鳴ったときは、それなりの対応と対処をする必要がある、と私は考えます。
頑丈な建物や地下室、シェルターがあればそこへ逃げ込むのがベストですが、近くにそういうものがない場合の方が多いと思います。
警報が鳴ってから着弾まではほんの数分しか時間はないので、離れた頑丈な建物へ慌てて移動するよりは、まずはその場その周辺で対応するのがベターと言えます。

ミサイルや爆撃で人を殺傷する能力が高いのは、爆風、すなわち衝撃波です。
まずはそれを避ける、または防ぐように対処しなくてはなりません。
警報が鳴ったときはできれば建物の中へ逃げ込むこと。
建物内ではなるべく窓から離れて、低い姿勢をとること。
爆風によりガラスが割れて中へ飛び込んでくることがあるからです。
よく言われるお風呂の湯船の中は、爆風を避けるためには確かに安全な場所だと思います。
他に、窓がない物置部屋や押し入れなどは、良い避難場所と言えます。
布団などに潜り込むのも良いので、就寝中に警報が鳴ったら取り合えず布団の中へ潜り込むというのは良い手でしょう。

街中などにいるとき屋外で警報が鳴ったときは、近くの建物などの屋内へ入るのが良いですが、田んぼや畑など何もない屋外で鳴ったときはその場かその近くで身を伏せる、姿勢を低くするのがベターでしょう。
その際、爆風を避けるために窪んだところを選ぶとさらに良いと思います。
また、衝撃波で耳の鼓膜がやられたり目玉が飛び出して視力障害になったりするので、親指で耳の穴を塞ぎつつ他の指で目を軽く押さえるようにすると良いそうです。
その時強く目を押さえつけないよう気をつけてください。

とにかく、Jアラートが鳴った時は、その場その周辺で爆風を避ける対処をしましょう。
ただし、ミサイル以外の緊急事態でも警報は鳴りますので、防災無線やメディアの情報をよく聞いた方が良いです。
また、上で述べましたが、北朝鮮が本気でミサイルを撃つときは、百発以上の数が上がります。
撃たれたミサイルが1発~数発の時は、ただの挑発・脅しの可能性がかなり高いので、正直そんなに危機的状況ではないと見るべき、と個人的には思います。
とは言ってもミサイルが向かった地域、警報が鳴った地域は、ミサイルの部品が落ちたり最悪失敗してミサイル自体が落ちてくる可能性は否定できません。
警報が鳴ったなら、やっぱりそれなりの警戒をするべきでしょう。
ミサイルが1発~数発のときの警報では、とりあえずなるべく屋内に入ってメディア等で情報収集しつつ、様子を見るのがベターな対応だと考えます。
(北朝鮮のミサイルが1発~数発の時に自衛隊がミサイル迎撃をすると、その破片や部品が地上にばらまかれる可能性があります。日本に届かないミサイルや日本を飛び越えていくものならばそのルートによっては、迎撃するよりやり過ごした方が被害が少ない可能性が高いので、自衛隊は迎撃をしないのだと思います)


さて、ここからは残念な情報を…。(;^_^A
まず、日本のミサイルの迎撃能力について。
現在(2017年時点)自衛隊のミサイル迎撃には海自のイージス艦搭載の迎撃ミサイル(SM2、SM3)と、空自の地上配備型防空迎撃ミサイルシステムPAC3(ペイトリオット)の二段構えになっています。
しかしながら、平時から超高高度弾道ミサイル(ICBM、宇宙空間まで飛ぶミサイル)を迎撃する任務についている海自イージス艦は2隻のみ(他のイージス艦は防空(対航空機)任務がある)で、PAC3は34機(2017年6月時)しかないので、突然北朝鮮がミサイルを発射したら、本当に全て迎撃できるかどうかは正直不透明です。
また、確実にミサイルを迎撃するには、発射される前からイージス艦、PAC3ともにすでに展開して迎撃体制に入っていないと迎撃することはできません。
日本全土を確実に守るとなると海自のイージス艦がほぼ全艦日本海へ展開してなくてはなりませんが、太平洋側などを空けるわけにもいかないので、現実的にはイージス艦2~4隻と他護衛艦2~4隻くらいが迎撃にあたることになるでしょう。
しかも打たれたときには海の上にいないといけないので、タイミングが悪いと迎撃に間に合わない可能性もあります。
PAC3は射程はそんなに長くない(約40km)うえ数自体が少なく、そもそも全国をカバーするのは無理で、一部の重要な地域・施設しか防備できないと思われます。
主に首都圏や大阪などの大都市圏や自衛隊基地、米軍基地などを防備することになるでしょう。
しかも事前に展開、または発射態勢に入ってないといけないので、タイミングによっては迎撃に間に合わない可能性もあります。
(ゆえに、地上配備型ミサイル迎撃システム、イージス・アショアはあっても良いと思います。2基でほぼ日本全土をとりあえずカバーできますから。ただ、中国ミサイル軍の攻撃能力を念頭に置くと、2基では足りないかもしれません。またイージス・アショアを設置した地域が、真っ先に攻撃対象となり得るということを考慮し、配備する地域の選定は周辺住民とよく話し合いながら慎重に決めないといけないでしょう)
また在日米軍は、基本的にまずは米本土へのミサイル対処と在日米軍基地を防備するように動くと思われますので、日本をミサイルから守ってくれるかどうかは正直わかりません。
たぶん在日米軍基地を守るついでみたいな感じで、基地周辺は防備してくれると予想はしてます。

と様々な事を考慮して、実際に北朝鮮がミサイルを撃ってきたときの迎撃確率を私の独断と偏見で勝手に予想すると、50~80%くらいだと思います。
ちょっと幅がありすぎかもしれませんが、結局のところ撃ってきたその時に、イージス艦とPAC3がきちんと良い位置に展開できているか?、が問題となると考えます。
絶妙の位置に配備できていればほぼ100%迎撃は可能だろうと思いますが、最悪の位置ならば50%くらいで半分は打ち漏らすでしょう。
ただ、北朝鮮側は当然「これから撃ちます」なんてことは言わないので、日本側の迎撃準備は十分整ってない可能性は高いと思われます。
ということで、現状では間を取って、65%あたりでしょうか?
また、上でも述べた通り、ミサイルの迎撃に成功したとしても、空中で破壊されたミサイルの部品が、空から地上へ多数降ってくることになります。
弾頭が破壊されずに落ちてくることも考えられますので、迎撃に成功したからと言って安心できるわけではありません。
以上のことから、北朝鮮が本気で攻撃してきたら日本には少なからずミサイルが着弾し、また迎撃できても部品等が地上へばらまかれるので、それなりに被害が出る可能性は高い、と私は考えます。
ですので、Jアラートが鳴ったときには、いつでもある程度きちんとした避難と対処をするようにした方が良いと考えられます。(撃った瞬間は何発上がったか詳細な情報はないと思うので)
先に挙げた、建物に入るとか爆風を避けるように姿勢を低くするとかの対応の最低限は、しておくのがベターだと思います。
(するしないは個人の自由ではありますが、私はやはり最低限のことはするべきだと思います)

特に原発を狙われた場合は、どう対応すべきか正直難しいところです。
だいぶ以前の原発事故の記事でも言いましたが、原発近辺の方で緊急事態だと思えば、ミサイル攻撃が終わった後で、子供と妊婦はとにかく原発から30km以上離れるのがベターでしょう。
情報がかなり錯綜するし、そもそも原発が攻撃されたの自体が情報発信されるか不明だと思いますので、情報収集はうまくいかない可能性があります。
その中でどう判断しどう対応するか、どこへどう逃げるべきか、かなり難しいです。
自分なりに色々と起こる事態を想定してみて、家族内でどうするべきかよく話し合っておくことをお薦めします。

(ちなみに現状では日本へ核兵器が飛んでくる可能性は低いのではないか?と私は思ってます。核はそんなに数があるとは思われず、ほぼすべてをアメリカ本土を攻撃するのに使うはずだからです。ただ、もし核の数にかなり余裕があるとしたら1~2発くらいは撹乱のために日本へ打ってくる可能性があります。そもそもアメリカ東海岸へ届くミサイルがない可能性もあるので、そうなるとアラスカ・西海岸・グアムあたりへ核を飛ばしますが、さらに余っているなら日本にも飛ばしてくるかもしれません…。その場合は核爆発による電磁パルスを利用して電子機器を全て停止・故障させるようにかなり高い高度で爆発させるのではないか?と予想します。直接的より間接的に核を使うので放射能被害はそれほどないのではないかとは思われますが、広範囲で電子機器が一気に止まるので事故等の二次的被害で死者が多数出る可能性があります。その際は原発などの重要な施設にも大きな被害が出る可能性があるでしょう)



と、ここまで北朝鮮のミサイルの脅威?を色々と挙げてきましたが、現状で実際にミサイル攻撃をしたとしたら、十中八九でその後北朝鮮という国が無くなる可能性が高いでしょう。
現状の北朝鮮のミサイルと核兵器では、アメリカを壊滅させるのは難しいと考えるからです。
アメリカの軍事力ならば、100%迎撃は難しくても、70%以上は迎撃できるはず。
核兵器が米本土へ到達する可能性もそんなに高くないのではないか?と考えてます。
(そもそもまだ米本土を攻撃できるICBMがない可能性があります)
北朝鮮の決死の攻撃でも、一部へのダメージはあってもアメリカとアメリカ軍の指揮系統を完全に断つことは難しいでしょう。
その後はアメリカ軍による圧倒的な反撃・報復の軍事攻撃により、北朝鮮という国そのものが壊滅するとしか考えられません。
ですから普通に考えれば、いま北朝鮮がアメリカを攻撃するということはあり得ないのです。
結果的に、自ら自分たちの国家を終わらせることになるのですから。
しかしながら、金正恩氏が自暴自棄になってゴーサインを出してしまう、という可能性もないでもない…。
この辺りは何とも言えません。
それでも普通に考えれば、やっぱり今の状況では北朝鮮が本気でミサイル攻撃することはないだろうと考えるのが、妥当だと思います。

逆にアメリカも先手で北朝鮮を攻撃することも、現状ではほぼないと予想します。
仕掛けたら「核」という仕返しがある可能性が高いからです。
また仕掛ければ、トランプさんにとって一番大事な「経済」も大混乱するでしょう。
もし仕掛けるとしても、色々と影響か少ないよう一瞬で北朝鮮首脳部を叩くような攻撃が必要ですので、結構難しいはず。
たぶん斬首作戦と併せた電撃的な攻撃になるので、準備とタイミングが必須でしょう。
となると、アメリカが近々に攻撃開始というのは、私は考えにくいと思います。
(しかし、アメリカが北朝鮮首脳を一瞬で叩いたとしても、残存部隊が報復攻撃を無差別にしてくる可能性は十分にあります。その際は韓国だけでなく日本を標的にミサイルが多数飛んでくるでしょう。アメリカの北朝鮮攻撃がきっかけで日本が被害に遭う可能性があるということは理解しておくべきです。そこを踏まえて、このままアメリカ追従で北朝鮮へ圧力をかけつづけるのが正しいのか、国民も良く考えなければならないのでしょう)


なんのかんの北朝鮮の行動や挑発は、気になるところではあります。
しかしながら、現状では彼らの相手は韓国とアメリカで、日本を相手にする気はない(余裕がない?)ようです。
今のこの状態で日本が色々と圧力を掛けたとしても、正直あまり効果はないでしょう。
結局のところ、日本には切れるカードがないのです。

だから「待つ」しかないのです。
ミサイル発射や核実験に対する抗議は必要でしょう。
拉致問題も抗議を言い続けていくことは大事だと思います。

(拉致問題は北へ直接言い続けることに加え、世界各国へさらに訴えを続けることが重要だと思います。北朝鮮に民間人が拉致されてその家族の幸せな時間を奪い、40年以上経っているという事実と現実を、国を挙げてひたすらに世界へ訴えていく。これを地道に続けていって、世界的なうねりとならなければこの問題は解決しないのではないか?と私は考えます。被害家族の皆さんにはさらに時間がかかるので酷なことかもしれませんが、何とか訴えを続けていただき、私たちもそれを応援・後押しし続けなければならないでしょう。
そのためにはこの問題の発信を続けて国際世論をさらに動かすことが必要であり、同時に日本という国が人権を大切にする国家であるということも世界へ発信し続けることも重要と思います。実は日本は世界から見ると人権をないがしろにしている国なのでは?と見られている可能性はあります。難民受入れの問題や外国人実習生や入国ビザ等の管理では日本は外国人に対してお世辞にも人道的な施策をしているとは言えない状況です。そういった所の態度が国際世論を大きく動かすに至らない原因の根っこにあるのではないか?と私は考えています。国際人権理事会から日本の人権侵害の懸念について指摘を受けるなど、日本は人権を大切にしているとは言い切れません。そういった所で真摯に対応・対策を講じていくことも拉致問題解決の大事なことだと思います)

しかし抗議や圧力をかけてもそれほど効果がないなら、状況・流れが変わるのを待つしかないのではないでしょうか。
その時期はすぐ来るかもしれないし、1年、5年、いや10年先かもしれない。
事が動くその時を待つのです。
その時そのタイミングに、日本が的確にうまく立ち回れるか?、も重要です。
対話が良いのか、圧力が良いのか、それとも別な方法か?
それも併せて、時期を待ちながらいろいろと探り続けていく必要があると思います。
(この国の首相は「北朝鮮から日本を守り抜く」とか熱く言ってますが、選挙の前にやるべきことを本当にやってるんでしょうか…)



さて、私なりに一通り北朝鮮とミサイルについて述べてみました。
記事がまとまってるのかよくわからないですが、今回はここまでにします…。(^ ^;;
あくまで素人意見で間違ってることもあると思いますので、そこはご了承ください。
相も変わらずの下手な文で、すみません。
m(_ _)m

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