(2020.7.5. 加筆・修正)
今冬は全国的にとても暖かく、山が雪不足なのが目に見えて分かります。雪不足が水不足となって影響出ないことを祈りつつ…。
さて、周りでは新型コロナウイルス感染症(COVID19、コビッド19)の話題で持ちきりです。毎日そのニュースばかりで、特にネット上ではどこの誰が罹患しただのと晒しが横行し、紙が不足するなどあることないこと噂が飛び交っています。個人的には過剰反応しすぎな気がします。福島原発事故の放射能の時と同じような展開で、とても既視感を覚えます。結局あの時の反省がなされていない事に残念に思います。皆さんにはもっと冷静に科学的・合理的な判断をもって、行動をしてほしいと願うばかりです…。
じゃ私も科学的・合理的で具体的なお話をしないと…と自ら首を絞めつつ(苦笑)、感染症予防の話を少ししようかな、と思います。普段私が流行性感冒(インフルエンザ感冒症)の流行期に警報が出るとしている対策です。
といっても今まで同様、あくまで素人が調べられる範囲の知識ですから、いつも通り参考程度に見てください。
ではまず、ウイルス性飛沫感染症の基本的な感染と症状の流れを確認してみましょう。
流行性感冒(インフルエンザ。以下、流感とします)も新型コロナウイルス感染症(COVID19。以下、新型コロナとします)も、どちらも基本的には飛沫で感染します。飛沫(ひまつ)は和読みで「しぶき」と読み、くしゃみや咳などで飛び散るつばや鼻水等の水分に感染ウイルスが含まれたものを、口・鼻で吸い込んだり、その飛沫水分を触った手で目・口・鼻を触ったりして感染する、という意味です。
(飛沫した水分を手で触って感染することを正確には飛沫接触感染と言います。また当然ながら接触感染もします。キスなどで感染者の口腔内粘液等を直接接触することによる感染です)
目・口・鼻より入ったウイルスは鼻腔内や口腔内咽頭部(喉や鼻の奥)などの細胞に取り付いて細胞内部へ侵入して寄生し、その細胞を乗っ取ります。乗っ取った細胞の生命維持機能を利用してウイルスを増殖させ、最終的に細胞が死んで細胞膜が破裂するときに中の増殖したウイルスがばらまかれ、他の細胞へ取り付いてさらに侵入、増殖…といった感じで増えていきます。結果、咽頭部が炎症(炎症は細胞が何らかの理由で壊死することを言います)を起こします。最悪のケースは肺や肺に近い呼吸器系で炎症、すなわち肺炎を起こし、呼吸が正常にできなくなると死に至る…というのが一般的な流感の感染の流れになります。
(新型コロナでは乾燥などで飛沫が微粒子となり、喉や鼻を通りすぎて直接的に肺や肺に近い呼吸器へウイルスが取り付くという事例があることが分かっています。主に鼻・喉の粘膜機能が弱っている高齢者等に多いらしいのですが、この場合肺などの呼吸器系から炎症し始めるため、発熱などの風邪の症状が出てから急に息苦しさを生じて症状が悪化する、という危険な症例が多いそうです)
咽頭などで炎症が起こると人間は自己防衛のため、免疫機能(白血球、NK細胞、B細胞、T細胞、食中細胞、抗体などの免疫系細胞活動。ウイルス等の病原体を捕えて取り込む、ウイルス感染した細胞の機能を止めたり壊す、ウイルスが細胞に取り付くのを阻害する、といった免疫機能がある)が活動しやすい体温へと体温を上昇(38℃前後が良いらしい)させると同時に、原因であるウイルスを物理的に外へ追い出そうとつばや鼻水を多く出して水分で流し落とそうとし、また咳やくしゃみを出させて体外へ押し出そうとします。熱が出て鼻水や咳やくしゃみが出る、という症状は自己免疫機能の一環で、人間が自分の体を守るため自ら起こす、感冒(風邪)の二次的症状です。
(なので大人であれば発熱時はよほどの熱(おおよそ38.5℃以上)でなければ解熱剤を飲んではいけません。人間の正常な免疫機能を邪魔してしまうからです。健康な大人であれば、発熱後、普通の感冒や流感でも3日ほどで免疫機能は病原体をやっつけ?て熱は治まります。ですから熱が出たら消化の良い食事と栄養剤などを飲んでとにかく体を休めるのが最も正しい治療法と言えます。
普通の風邪で熱が出て医者に行っても、感冒を直接的に治す治療法や薬はありません(流感についてはウイルス増殖を防ぐ有効的な薬(タミフル・リレンザ等)がありますので、急な高熱の場合は早めに医者へ行く方が良いでしょう。特に流感脳症の出やすい15歳以下の子供はなるべく早く行くべきです)。抗生物質も感冒そのものに効果がある訳ではありません。あくまで解熱、咳止め、胃腸薬といった対処療法の薬を処方されるだけですので、高熱が出た場合(おおよそ38.5℃以上。15歳以下の子供の時は38℃以上の熱があるとき)や咳・のどの痛みがひどくて眠れない等といった自宅で療養するのに支障がある事態でなければ、感冒(風邪)で医者に行くのはよろしくないと言えます。)
さらに4日経っても熱が下がらなかった場合は感冒ではなく肺炎の疑いが出てきます。これは「肺炎の4日ルール」といって4日以上熱が続いた場合は肺炎を疑うという、医療現場では常識なんだそうです。ゆえに新型コロナの政府情報でも、熱が出たら3日間は自宅で休み(待機し)、4日間37.5℃以上の熱が続いた場合は相談センターや保健所、かかりつけの病院等へ連絡するように、と要請している訳です。また高齢者の方、持病がある方、妊婦の方は2日間37.5℃以上の発熱が続いた場合、電話相談するように、とされています。