最近、国会を見ていて思うこと

だいぶお久しぶりです。
少し仕事が忙しかったのと、思うところもあって、記事を書いてませんでした。
思うところとは…、まず近ごろ書きたいネタがない。(苦笑)
何て言うんでしょうか、びびっとくるやつがないんですねぇ。
あとここ半年ほど老荘思想を調べているのですが、あれこれ知識を半端に拾ってアップするのが良いことなのか悩むようになってしまいました。
中途半端な知識ならないほうが良い、というのが老荘思想にあるからです。
私の知識はもともと広く浅くなっちゃうので、どうしても中途半端な知識にしかならない。
それを記事にしてアップすることは、はたして良いことなのか、少し悩んでます。
うーん、、。(- -;
考えがまとまらないので、とにかく誰かに「これやって」とネタを振ってほしいくらいです。
といっても、きちんと答えられるかどうか分からないんですが…。(;^_^A



それはさておき、最近テレビで臨時国会や国会の報道を見ていて、一言いっておきたいことが出てきました。
日本の政治のやり方、進め方についてです。

先日の所信表明演説で、安倍首相はかなり踏み込んだ憲法改正への意欲を語っていました。
改憲容認会派が衆参ともに3分の2を超えて、改憲が現実味を帯びてきているからでしょう。
ただ…。
その安倍自民党は、直前の参議院議員選挙でその憲法改正について、ほとんど触れることなく選挙を戦いました。
「選挙」ってのは、立候補者の考えや各政党の政策を有権者に直接訴えることが、一番大切だと私は考えてます。
主権者である国民に政策をしっかりと直接的に訴えられる場は、正直選挙しかないからです。
逆に、選挙で政策論争を疎かにするということは、国民を軽視していることだと言えます。
で、最近の自民党(ふくめ各政党)の選挙のやり方は、まさにその国民を軽視したやり方だと思うのです。

先の選挙中、自民党は改憲について「国民の議論の盛り上がりを待つ」とか「今すぐ改憲どうこう言うのは現実的でない」としか言ってませんでした。
同じように、自民党はTPPについても選挙中直接的には触れてません。
「日本の利益をしっかり守りつつ、攻めの姿勢で交渉してきたから大丈夫」としか言ってませんでしたねぇ、、。
中身を見ると決してそうとは思えませんが…。
(しかも最近になって外務省は和訳が間違ってたとかいってかなりの部分を修正してきましたね。これで条文のニュアンスが大きく変わることも考えられます)
こんな感じで、安倍自民党は選挙で自分達に不利に働きそうな政策について、選挙中は触れないようにするかだんまりでやり過ごし、選挙終わったとたん当たり前のように、改憲やTPPなどの話を堂々と持ってくる…。
国民軽視も甚だしいと思うのは、私だけですかね?

まあ、自民党はこれまでもこういうやり方で選挙をやって来ていますから、別に気にもならないんでしょう。
いや、日本の選挙自体が昔から良いことしか言わない、美辞麗句で総花的な選挙が当たり前だからかもしれません。
与党も野党も、選挙中は他の党を責めるか自分に都合の良いことは大声を張り上げますが、自分達に都合が悪いことは当たらず触らずでだんまり…。
その都合の悪いところに、日本が取り組むべき重大な課題がたくさん混じってるんですがねぇ…。


日本の政治は、こういう後だしが普通になってきてます。
安倍政権だけで言えば、特定秘密保護法、武器輸出三原則、安保法制、TPP、憲法改正などなど、日本にとってこの先の将来を決定付けるような重大で重要な問題・課題ほど、直接国民に語られることはなく、後だしが当たり前に行われています。
こういう重大で重要な課題問題こそ、本来なら国民を巻き込んだ議論が必要なはずです。
そしてそれは選挙という場が、一番良いはず。
そこが疎かのまま、数と支持率で一気に突き進もうとしている安倍自民党は、いつか取り返しのつかないミスを犯しそうで、私は非常に強い危惧を覚えています。


それと共に、私たち日本国民の責任が生じてくると思います。
なんだかんだ言って、今の安倍自民党一強状態を選択したのは、私たち日本人です。
今の日本の政治は自民一強のため、即断即決でスピーディな政治が行われる状態となっています。
しかし逆をいえば、他の少数意見は取り入れられない、真の民主主義とは離れた政治となってきているとも言えます。
それは、自民党(や自民に近しい一部の人たち)が「こう」と決めたものが、合法的な強権政治にて一気に国家政策として決まってしまう、というある意味危険な状態でもあります。
民主国家でありながらほぼ一党独裁の某国と同じ国となっている、といっても言い過ぎではない状況だといえます。
(まあ憲法改正は国民選挙が必要なので最終的に国民的議論が必要になってきますが、他の課題については与党が決断すればあっという間に話が決まってしまう状況です)


そこで重要になってくるのは、私たち国民の意識、「世論」です。
どんなに一強政治であっても、国民の世論にはそうは逆らえません。
そして自民一強政権を選んだ私たち国民は、自民が暴走しないように見守り監視するという責任があります。
またもし暴走するとしたならば、それを全力で止めなくてはならないという重大な責任もついています。

その責任を果たすためには、私たちは「良い目」を鍛えなくてはなりません。
様々な情報を色眼鏡で見ることなく、偏りのない目で判断して精査し、物事の本質をとらえた良い情報を自分の知識として吸収する。
(「正義か悪か」でなくて「良いかどうか」が問題です。善悪に基づいての判断は得てして偏った見方となります)
その知識を以て何をするべきか、どれをやらなくてもいいのか、国民自らの考えで判断すること。
これが、最も重要な私たちの仕事なのです。

しっかりとした目で今の政治の動きを見ていけば、何が無駄で、どこに問題があり、何に緊急に取り組むべきで、何をすべきなのか、何となくですが見えてくるはずです。
これまで私が何度もこのブログで言ってきたことだと思います。
(私が勝手に考える、日本が取り組むべき最も重要で喫緊な問題・課題だと思うものは、少子化対策と人口減少の問題、地方衰退の問題です。これらをワンセットとして総括的にかつ本気で取り組まないと、日本全体が衰退の一途をたどることは間違いないでしょう。これは子育て支援や環境といった子育てのしやすさの問題もありますし、同時に移民の受け入れなどの根本的な人口問題にも取り組まなくてはならないと考えます。これはもうすでに待ったなしの重大な問題です)

日本政府やメガメディアが発する情報の表面だけを鵜呑みにせず、その裏側や違った角度からの視点を常に意識し、考察すること。
世界は多種多様な考えで混沌と渦を巻いているようなものです。
これが正しくてあれが間違ってるというもの・ことは、在るようでいて実は無い、と私は考えます。
すべては表裏があるものだし、立場が違えば正義と悪も逆転します。
世の中はそういうものだとよくよく理解した上で、どの考え方を自分は受け入れるのか、または違う考え方を導き出すのか、またはそれはそれとして正義と悪を決定せずありのままで受け入れるのか、というだけです。


とまあ話がだいぶ逸れましたが(;^_^A、ともかく政治ってのは基本的に、選挙では有権者受けする良さそうな政策ばかり声を挙げ、都合の悪いものは当たらず触らずでやり過ごし、選挙で無事に勝ったらなら都合が悪いものを堂々と持ち出して話を進める、というのが常套手段です。
しかし、その都合の悪いもの、当たらず触らずでやり過ごしたものの中にこそ大事な問題・課題があります。
逆に言えば、この中にこそ私たち国民はしっかり目を向け、注視しなくてはならないのです。
この「都合の悪いもの」は、選挙の最中では語られることはほぼないので、今行われているような国会審議などを通じて情報を得るしかありません。
つまり、私たち国民がしっかりと見守るべき重要な課題と問題は、今の国会審議とマスメディアが流す報道でしか知ることはできないのです。

私たちが国民として、主権者・有権者として責任を果たすには、国会審議が行われているときのニュース・報道を見なくてはならない、という訳です。
自ら意識してニュースを見なくては、今の政治・政権がこれから何をしようとしているのか、情報として入ってこないからです。
ちなみにこのニュースとは、インターネットなどのネットニュースでも良いのですが、専門の報道機関が出すテレビニュースや新聞などからも同時に得たほうが良いです。
ネットニュースは基本的に自分が興味のある話題、もしくは惹かれる表題・タイトルのもの、アクセスランクの高いものが閲覧されやすいので、情報が片寄る傾向があるからです。
専門の報道機関による情報は、専門の報道者によってのフィルタを通しての情報ですので、ある程度信用がおける情報です。
信用のおける情報と合わせて、ネットニュースなどで情報を得ていくのが良いでしょう。


この政治報道の中に、私たちの将来を決定づける重大で重要な話が混じっていることが、非常に多い、と私は感じています。
だから、国会が開かれているときにニュース・報道を見ないと、国民は主権者としての責任を果たせない…、いやそれ以上に、政治が何をしようとしているかの情報を得られないというだけで、私たち国民はとんでもない損をしている可能性が高い、と言えます。

例えば、今やってる補正予算。
国は景気がやや下に向き始めているので、借金をしてある程度大きめな第二次補正予算を組むことにしています。
ちっとも景気が上に向かないアベノミクスとやらの効果の検証は横に置いといて、またバラマキをやることで決まっているのです。
(私はアベノミクスだかが本当に効果があったのか、3本の矢だかがちゃんと結果が出たのか、検証をする方が先だと思うんですがね。それをろくにやらないで次から次へと策を追加するのは愚の骨頂だと思います)
この補正予算は、先の参院選挙で自民・公明与党が「やる」と言っていって勝利をした訳ですから、やることはほぼ確定しています。
しかし、借金をして3兆円規模の補正予算にするので、その借金の支払いは当然ながら国民の税金です。
そしてそれを払っていくのは、以前にも言ったこれから主に支払っていく若年層世代と言えます。
では、その補正予算で何をするのか、皆さん内訳を知ってますか?
特にその借金を支払っていくだろう若い世代の方々は、当然知っておくべき内容ではないでしょうか?
その話は、やっぱりニュース・報道を見なければ、分からない訳です。
若い世代の人々は、それをほとんど知らないまま予算が通ってしまっても良いのですか?
具体的に、H28年第二次補正予算の詳細は財務省発表のこちらのPDFデータを見てください。
大まかな内訳は、

  一億総活躍社会実現促進(育児・若者)等 … 約7000億円
  インフラ事業(観光・農業・リニア)等  … 約1兆4000億円
  中小企業支援(資金繰り支援)等     … 約4000億円
  防災対策(震災・テロ対策)等      … 約1兆4000億円

こんな感じです。
ちなみに主に借金を払っていくだろう若者への支援策は、女性活躍支援とあわせて名目で200億円です。
まあ実際は、様々な地方創生向けやインフラ対策の中に若者に関連した予算も組み込まれているはずですので、200億円だけということはあり得ませんが、そうだとしても表立った名目で200億円というのは、正直少ないと思いませんか?
この第二次補正予算は、明日11日には参院を通って確定してしまう予定です。


予算以外にも重大な話はあります。
これから審議に入るTPP協定についてですが、はっきり言って農業をやっている方々にはマイナスにしかならない話です。
重点5品目以外の農作物については、基本的に関税撤廃かほぼゼロに近い関税率となります。(この5品目でさえ関税率が引き下げられることは決まっています)
他に医療制度・医薬品、医療保険、特許・著作権、貿易等に関する訴訟に関わる項目など、多種多様にしかも複雑に関わっているのが、このTPPの厄介なところです。
にもかかわらず、結局のところどの項目がどうなる、といった具体的な内容についてが、外務省から発表されていません。
いや、正しく言うと発表はされているんですが、すべて英文なうえ、ものすごい量なんだそうです。
また、各国それぞれで条文の適用と留保をしている項目があるらしく、また関係国間で交わした別の文書もあるために、非常に難解な協定書となっています。
つまり、このTPP協定のすべてをばっちし理解している人間は、日本にはいないんじゃないか?、ということが言えます。
結局、TPP協定は政府役人も国会議員も専門家も、誰も十分に理解をしていないまま、批准をしようとしている可能性が高いということになります。
(本当に理解しているというならば、協定の詳細な内容を記した誰でもわかるような日本語の文書が発表されるはずですが、どんなに探しても全体の「概要」もしくは難解なままの和訳しか出てきません…)
こんな複雑怪奇のままよくわからない協定を結ぶことが、果たして日本のためになるのか??
私は強い矛盾と危機感を覚えています。
批准をするにしても、誰もがよく理解していないまま、というのは絶対にやってはいけないことだと思います。
そうやって十分理解してないままに批准したら、後になって日本に不利だったことが出てきたり、国会で話にもあがらなかったことで協定違反となったりして、混乱が生じるはずです。
まだまだ時間は十分にあると考えます。
拙速に批准するのではなく、しっかりと理解して議論を経た上でないと、批准どうこうの話にすらならない、と思うのは私だけでしょうか?
来年の通常国会ぐらいまでゆっくりと時間をかけて考えていくことが、最も大切だと考えます。

同じように、憲法の改正についてもしっかりと議論を重ねていくことが肝要でしょう。



とまあ、今の国会と政治の問題点?についてあれこれ述べました。
結局のところ、私たち一国民が、しっかりと政治に関心を持ち、参加していくことが一番大事、ということです。
たとえ参加はしなくても、私たちが「良い目」をもって、政治についての情報をしっかりと身につけて国家の動きを見守っていきさえすれば、国家が誤った道に走ることはない、と私は信じています。
選挙が終わったから、政治の話はハイ終わり、、、ではいけないのです。
主権者として、有権者として、納税者として、日本という国を少しでも良い国へと向かわせるためにできることは、まだまだたくさんあるはずです。
皆さんも日々の生活は大変かと思いますが、少しだけでも政治について意識を向けていただけると、きっと日本は良い国へと向かっていくと思います。

毎度毎度、雑文で申し訳ありません。
m(_ _)m

タグ :国会政治TPP

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松宮 湊人
40代、男、既婚、会社員。
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