(この記事は私が過去 2012.10.15. に「湊戸ヒサシ」としてY!ブログにアップした記事です)
また追い越しの話です。
今度は走っている車を追い越す、本来の追い越しの安全なやり方を考えてみたいと思います。
高速でも一般道でも使える話ですが、いちおう一般道での話としておきます。
片側一車線の公道を場合を想定して話を進めます。
では、正しく安全な追い越しのやり方を考えていきます。
まず、追い越しできるか否かを正しく判断しなくてはなりません。
基本的なこととして、追い越し禁止されていないか、追い越し等に伴う車線変更が禁止されていないか、制限速度を越えないで追い越しできるか、確認が必要です。
追い越し等に伴う車線変更禁止の区間は、センターラインがオレンジ色(赤?)です。
センターラインがオレンジ色の時には、車線変更、すなわちセンターラインをオーバーしてはいけません。
(センターラインを越えなければ、いちおう追い越しは可能です)
また、本来追い越しは制限速度内で行うものです。
結構皆さんかなりのスピードで追い越しをしていきますが、原則として制限速度は超えてはいけません。
(しかしながら安全に素早く追い越しをするなら、制限速度+20km/hくらいの速度オーバーは必要かも知れません。ただし速度違反であることに変わりありません)
つまり、前の車が制限速度ちょうどで走っている場合は、追い越しできないことになります。
制限速度を越えることは道交法上で違反となりますが、最低速度が決まっていなければどんなにのろのろでゆっくり走っても違反とはならないのです。
(ただし、制限速度を下回って走るときは、後続車が詰まってきたらすみやかに進路を譲らなくてはならないと規定されています。逆に言えば制限速度ちょうどくらいの時は、後続車が混んでも無理をして進路を譲る必要はありません)
要は、前の車が制限速度よりも低い速度で走っているときは追い越しができますが、制限速度ちょうどの時は追い越しをしてはいけないと考えるべきです。
よく、郊外の広くそこそこ空いた片側一車線の道(松本近辺なら東山や西山の山麓線など)で、制限速度よりやや超過して走っている車でも、当たり前のように猛スピードで追い越しをしていく車を結構見かけますが、それは道交法違反となります。
そういう時は、追い越ししても良い区間でも、前の車が遅いと思っても(制限速度前後で走っている車をを遅いと思うほうが間違いなんです)、追い越しをしてはいけないのです。
そのあたり、決して間違えないように注意してください。
さて、上の条件がそろって実際に前の車を追い越すとき、カーブのない見通しの良い直線道路で追い越すなども大事ですが、さらに注意すべきポイントは追い越しをかける前に車間をしっかり空けておくことです。
よく前の車が遅いと、まるで煽るかのように前の車のすぐ後ろにピッタリくっついていく車がいますが、安全に追い越しをするという観点からいえば、それは良くありません。
対向車線へ出て追い越しをかける場合、安全上最も注意しなければならないのは、対向車線へ飛び出している時間をいかに少なくするかということです。
前の車のすぐ真後ろから追い越しをかけるとなると、加速は対向車線へ出てからすることになります。
すると追い越しをするのに時間がかかるうえ、対向車線へ出ている時間も長くなり、危険が大きく大事故の確率も高くなってしまいます。
安全でスマートな追い越しは、しっかり車間を空けておき、追い越しのウインカーを出しながら今自分がいる車線である程度加速をしておいてから追い越しをかけること。
あらかじめしっかり加速しておいてから追い越しすれば、対向車線へ出ている時間が短くて済みます。
また車間をしっかり空けて自分の走行車線で加速するようにすれば、もし急に対向車が来たりしても対向車線に出る前ならばすぐに追い越しを止めることができ、安全度も増します。
安全上大事なのは、対向車線に出ている時間をとにかく短くすること。
そして、車間をしっかり空けた上、事前に自分の走行車線でしっかり加速しスピードを上げておいてから追い越しをかけること。
この2点です。
では具体的に順を追って、安全な追い越しを見ていきます。
まずは、追い越ししても良い場所か確認します。
追い越し禁止でないか、車線変更禁止でないか。
カーブの少ない見通しの良い、追い越しに適した直線道路か。
追い越そうとする車が制限速度より低い速度かどうか。
などなど、確認しておくことはたくさんあります。
全部OKならば追い越しを試みましょう。
もしダメだと思ったなら、すっぱりあきらめるのも大切です。
このブログでは何度も言っていますが、公道を車で走る上でもっとも重要なことは「安全」です。
少しでも危険をともなうような行為は、絶対にしてはいけません。
特に追い越しのような、一歩間違えば大事故になりかねないことをするときは、まさしく石橋を叩くような細心の注意が必要だということです。
上の条件の一つでもダメなことがあったときは、すっぱりとあきらめましょう。
追い越しできると判断し、やろうと思ったなら、対向車の流れを見て追い越しをかけます。
基本は、見通せる範囲に対向車がいないときに追い越しをかけること。
しかし、公道ですから対向車がいるのはある意味当たり前です。
場合によっては対向車がいる中で、交通の流れのタイミングを見計らって追い越しをしなくてはなりません。
このときの追い越しのタイミングは、かなり難しいものがあります。
同じ方向へ走っている車を追い越すのには、思ったよりも多く時間がかかります。
加えて対向車はこちらへ向かって走ってくるのでお互いが距離を縮めることになり、対向車は思ったよりも早く近づいてくるものです。
経験とそれに合わせたイメージがものを言うところもありますので、自信が無い場合やうまく抜けるイメージが湧かないのなら、対向車がいる時は追い越ししない方が良いです。
特にイメージがしにくいであろう初心者などの方は、十分気を付けてください。
自分の身を守るために、少しでも不安を感じたなら、ここでもすっぱりやめておきましょう。
追い越しができるタイミングが計れたら、実行に移します。
事前に追い越す車との車間をしっかり空けておきます。
車間は実際の速度と個人の感覚的なところもありますが、車が1~2台入るくらい、20m以上は空けておいた方が安全だと思います。
ここで追い越しを実行するためウインカーを出すのですが、その前にサイドミラーとルームミラーで後方確認をしておきましょう。
後続車やバイクなどが、自分の車を含めて無理な追い越しをしかけてきているかもしれないからです。
特にバイクについては、車が混んでくると右から左から隙間を縫うように追い越しをしてくるバイクも結構います。
追い越しにおいては、先に進路変更した方が優先されます。(前後の道路状況にもよりますが)
対向車だけでなく後続車にも目を配らなくてはなりません。
後方確認が済んだら、ウインカーを出して走行車線の右へ寄ります。
これから追い越しかけますよ、という合図です。
この時、センターライン上か少し越えるようにすると、まわりへの追い越しのアピールになります。(はみ出し過ぎはダメです)
そして事前に安全をよくよく判断した上で「行くぞ」と決めたならば、中途半端は禁物です。
アクセルをしっかり踏んでしっかり加速をします。(それでもあくまでまわりの状況によりますが)
目標を制限速度+20km/hくらいまでしっかり加速するつもりで加速しましょう。
加速しつつ前の車との車間が狭まったら、車線を変更し対向車線へ完全に出て追い越します。
その間、ウインカーは右へ出しっぱなし。
これは追い越ししてますよという合図でもありますので、完全に抜くまで右へウインカーを出し続けます。
ルームミラーごしに追い越した車が見えたら完全に追い抜いたので(教習所で習った通りです)、左へウインカーを出しながら元の車線へと戻ります。
あとは周りへ危険が無い程度に減速しましょう。
以上で完了です。
先程述べたとおり、もし追い越しの途中で急に対向車が来たりして危険が迫ったときは、対向車線へ完全に出る前だったらすぐに加速を止めて元の車線へ戻ります。
完全に対向車線へ出ていても、追い越す車の横に並ぶ前なら追い越しを止めるという選択肢もありますが、多くの場合は対向車線へ完全に出て追い越し始めていたならば、追い越しを完遂させる方がベターなことが多いです。
と言っても臨機応変は重要です。
危険だ、と判断したならどんな状況でも追い越しを止める必要もあるでしょう。
その辺りの判断も難しいところです。
それでも何度もいうように、「安全」が最も大切です。
自分の身を守ることを第一に考えながら判断と行動すれば、かなり安全な行動ができるはずです。
さて話がそれますが、追い越しされる側の、安全で正しい追い越され方にも触れておきます。
追い越しされる側の基本としては、追い越し中には絶対加速しないということ。
これは道交法に定められています。
安全にスムーズに追い越しをさせてあげるために、少し左に寄りつつ若干スピードを落としてあげる、くらいのことをしても良いと思います。
「安全」という意味では、大切なことです。
しかし、制限速度をやや超えたくらいの速い速度で走っていても、中には追い越しをしていく車も多くいます。(郊外の空いた道だとなおさらです)
自分が特に遅いというわけでもないのに、煽られたり追い越しされると、正直すごく気分が悪いものです。
しかし、何度も言うように「安全」が第一です。
追い越しをかけられたら、相手が無事安全に追い越しができるよう配慮してあげましょう。
変に意地悪?でもして事故にでもなったら、自分に危険が降り掛かってくる可能性があります。
嫌悪感を覚えつつでも自分の身を守るため、無事安全に追い越しが終わるよう、広い心をもってやや減速しやや左に寄ってあげましょう。
追い越しは対向車線へ飛び出す行為なので、常に危険が付きまとう行為です。
この記事を参考にしていただいて、安全かつスマートな追い越しができるよう、気を付けてみてください。
m(_ _)m