米大統領トランプさんな話

アメリカもいろんな意味での変化が始まりました。

先月、アメリカ合衆国大統領就任式が行われ、ドナルド・トランプ氏が就任しました。
トランプ氏はアメリカ第一主義を掲げ、強くて偉大なアメリカを取り戻す、ということをスローガンに、これまでのオバマ路線とは正反対の政策が次々と打ち出され、今後もそういう政治路線をとっていくでしょう。

トランプ大統領はアメリカのメガマスメディアの多くを目の敵にし、メディアは嘘っぱちだ、国民の世論を意図的に導こうとしている、と強く批難し対決姿勢を露にすると共に、ツイッターを通じて支持者に直接主張を訴えるという新しい手法を駆使しています。
アメリカの一部マスメディアはそれに対抗するように、こぞって反トランプ的な報道に終始しています。
アメリカメディアにつられるように、日本のマスメディアもトランプさんを批判するような報道が目につくような気がします。

確かに今までの大統領とは明らかに違い、罵詈雑言を飛ばしまくるし、極端であからさまな排他的政策をどんどん打ち出すトランプ政権に、大きな不安が起きるのは当然でしょう。
しかしながら、そういう「よくなさそうなイメージ」だけで思考を固めてしまうのは、よろしくないと思います。



アメリカのマスメディア(特にリベラル系)はどうもトランプさんに、「よくない大統領」というイメージを植え付けようと躍起になっている感は、確かにあります。
大統領への期待度や就任式の聴衆の数などで、反トランプ寄りにニュースを盛ってる報道が目につきます。
これは、マスメディアをあからさまに敵視し、対決姿勢をするトランプさんに対する、当て付けの面があることを忘れてはなりません。
米メガマスメディアの「俺たちを敵に回すとはけしからん」「トランプを懲らしめてやれ」という行きすぎた傲りがある、という面があることを見逃してはいけないのです。

それに加えて、存外トランプさんの支持率は決して低くはないのです。
事実、アメリカ国内の世論は真っ二つに割れ、トランプ支持5割、不支持4割となっており、やや支持が上回っています。
米国民のおよそ半分超はトランプさんを支持しており、これまで新政権が打ち出した多くの政策は、米国民の半分以上が賛成を表しています。

同様に、トランプさん反対の米国民もおよそ半分近くおり、トランプ氏の支持と不支持は極端に分かれています。
二極化がはっきりと現れてきているのです。


ここでもっとも重要なのは、トランプ政権を支持し、その政治を強く後押しするアメリカ国民が半分はいる、ということです。
ニュース報道を見るとトランプさんがやや暴走ぎみに政策を進めているように見えますが、決してそうではなく、ちゃんと米国民の半分超の支持があります。
国民の半分超の支持があるならば、トランプさんの発言や政策は米国民の声でもある、ということを認めなくてはなりません。

つまり、トランプ氏の差別的な暴言だったり、移民の締め付けやメキシコ国境に壁を作るとかイスラーム圏からの入国制限、TPPやNAFTA等の自由貿易協定への離脱・反対などの政策の数々は、米国民の民意をある程度反映している訳です。
すなわち、多くの米国民、特に白人中間層の心の奥底にある、本当の気持ちをトランプさんが代弁している、と言っても過言ではないでしょう。
とりわけアメリカの中部南部の白人中間層の人たちには保守派が多く、現実的に「海外に自分の仕事が奪われている」「不法移民者に仕事を取られている」と考えている人はたくさんいます。
彼らにとってトランプ氏は「良い大統領」なのです。
つまり、今のところトランプ大統領は国民に支持される、良い大統領です。
そこのところをメディアの情報を鵜呑みにして、見間違えてはいけないのです。
(だから、トランプさんはマスメディアを目の敵にする訳ですね)
(一方、アメリカ東部・西部の都会や人口の多い地域ではリベラル派が多く、人権を尊重する考えの人が多いために、トランプ氏を激しく非難するデモがほぼ毎日起きています)



と、一応トランプさんをよいしょ?はしましたが、その政策内容と実行には首をかしげることが多いのも事実です。
どうも、ホワイトハウスに近い側近たちだけで政策を決めて実行に移していて、各省庁への連携や伝達、擦り合わせなどの根回しが十分ではない印象があります。
つまり、国務長官や国防長官などの大臣級の人々と相談や意思疎通・連携をせずに、ホワイトハウス側から一方的に次々と大統領令や政策が発せられている、という感じです。
側近だけで物事を決める、側近政治ですね。
国家運営は会社の経営とは違うものですが、どうも会社経営(しかもワンマン経営)の延長で国家を運営しようとしているように見えます。

また、自分が見たくないことは見ない、聞きたくないことは聞かない、という姿勢もはっきり見えてきています。
例えば地球温暖化の問題。
トランプ政権は、今後地球温暖化やCO2排出に関する科学的データや論文などを、政府が内容を検閲し許可が出たものしか公式なデータとして採用しない、と言っています。
つまり、恣意的に都合の悪いデータは採用しません、と言ってるようなものです。
これははっきり言って、ダメです。
多くの人の色々な意見を聞こうとしない、取り入れようとしない、、、これではいずれトランプ政権がつまづくのは目に見えています。
このやり方のまま本当に国家運営、しかも超が付く大国の運営ができるのか?
私は絶対に無理だろう、と考えます。
これを続けていけば、百歩譲ってアメリカの経済や雇用は良くなるかもしれませんが、国際的にアメリカは偉大ではなくなっていくでしょう。
このやり方でうまくいかなくなったときに、トランプ政権がどうするのか?、国民の支持はどうなるのか?、が最も重要な注目点だろうと勝手に思っています。

(ちなみに、今の日本の首相や内閣もトランプさんと似たようなことをしているのはご存知ですか? 例えば野党が貧困が広がっているというデータを持ってきても、内閣はそういうデータもありますが全体の世帯収入が増えているというデータがあるので一概にそうとは言えない、と言います。アベノミクスは失敗ではないかというデータを示しても、そういうデータもありますが株価は上昇し失業率も改善していて経済は発展してきているので効果は出ている、と言います。自分に都合の悪いデータ・情報は見ずに都合の良いデータ・情報だけを見ようとする。ここ数年の国会論戦はこんなんばっかりで閉口します。良いを良い、悪いを悪いと素直に認めることは、政治家はしてはいけないんですかねぇ。ほんとに残念です)



あと、先日日本の安倍首相とトランプ米大統領との初めての日米首脳会談がありました。
日米安保と尖閣諸島について確認しあった、他にも色々なことについて友好的に意見を交わし合った、とかでだいぶ安倍さんの評価は高いようですが、私はそう甘く考えてはいません。
もともとトランプさんはビジネスマンですから、直接会う場ではにこやかにフレンドリーな感じで人と接する人なんでしょう。
だから、別段安倍さんを特別扱いをした、というわけではないと思ってます。
(トランプさんが安倍さんに良い印象を持っていることは間違いないようですが)
この日米首脳会談であれこれと話し合いをしたとは思いますが、現実的にはそのことによってトランプさんの政策方針が変わることはないだろうし、発言内容もこれまでと変わることはないでしょう。
特に日米安保の尖閣に関わることは確認しあったと思いますが、それ以外の経済分野などは十分話し合いをしておらず、それはそれ、これはこれ、とあっさりひっくり返されるだろう、と予想しています。
会談の場ではにこやかに話し合っていても、ホワイトハウスに戻って側近と話しているうちにまた考えが変わる…、側近政治の弊害の典型です。
だから、また日本叩きのような発言が再びツイッターから発せられると思います。

そもそも、トランプさんのツイッター発言に一喜一憂するのは、良くないと思っています。
彼は聞こえの良いことを、自分たちの支持者へ直接訴えているだけです。
それが本当に実現できるのか、可能なのかはさておき、その時に思った支持者に受けそうなことをただ発しているだけでしょう。
「アメリカ大統領」という強力な権力を持った公人がすることではない、と私は考えています。
そのうち、このツイッターを使った発言のやり方も、人々の「慣れ」によって大した効果が出なくなってくるでしょう。
もしそうなったときにトランプ政権はどうするのか?
それも私が注目している点です。



さて、なんのかんの言っても、今のトランプさんはきちんとアメリカの民意をある程度反映している大統領である、ということは認めなくてはなりません。
そこのところは間違えないようにしてほしいです。
しかしながら、大統領令が出たとか、ツイッターで何を発言した、などとその度に大騒ぎするのはよろしくないと思います。
落ち着いてよく考えて、そのあときちんと対応を考えればよいだけの話でしょう。
その度に慌てずに、少し時間を置いてどうなるか落ち着いて見守るのが、ベターでしょう。
メディアにのせられて惑わされてはいけません。
自分の考えをもって、落ち着いて見ていって欲しいと思います。

いつも雑な文で、すみません。
m(_ _)m

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