コロナ等飛沫感染症予防の話 基本は「手洗い」

(2020.7.5. 加筆・修正)

 今冬は全国的にとても暖かく、山が雪不足なのが目に見えて分かります。雪不足が水不足となって影響出ないことを祈りつつ…。
 さて、周りでは新型コロナウイルス感染症(COVID19、コビッド19)の話題で持ちきりです。毎日そのニュースばかりで、特にネット上ではどこの誰が罹患しただのと晒しが横行し、紙が不足するなどあることないこと噂が飛び交っています。個人的には過剰反応しすぎな気がします。福島原発事故の放射能の時と同じような展開で、とても既視感を覚えます。結局あの時の反省がなされていない事に残念に思います。皆さんにはもっと冷静に科学的・合理的な判断をもって、行動をしてほしいと願うばかりです…。

 じゃ私も科学的・合理的で具体的なお話をしないと…と自ら首を絞めつつ(苦笑)、感染症予防の話を少ししようかな、と思います。普段私が流行性感冒(インフルエンザ感冒症)の流行期に警報が出るとしている対策です。
 といっても今まで同様、あくまで素人が調べられる範囲の知識ですから、いつも通り参考程度に見てください。



 ではまず、ウイルス性飛沫感染症の基本的な感染と症状の流れを確認してみましょう。

 流行性感冒(インフルエンザ。以下、流感とします)も新型コロナウイルス感染症(COVID19。以下、新型コロナとします)も、どちらも基本的には飛沫で感染します。飛沫(ひまつ)は和読みで「しぶき」と読み、くしゃみや咳などで飛び散るつばや鼻水等の水分に感染ウイルスが含まれたものを、口・鼻で吸い込んだり、その飛沫水分を触った手で目・口・鼻を触ったりして感染する、という意味です。
(飛沫した水分を手で触って感染することを正確には飛沫接触感染と言います。また当然ながら接触感染もします。キスなどで感染者の口腔内粘液等を直接接触することによる感染です)

 目・口・鼻より入ったウイルスは鼻腔内や口腔内咽頭部(喉や鼻の奥)などの細胞に取り付いて細胞内部へ侵入して寄生し、その細胞を乗っ取ります。乗っ取った細胞の生命維持機能を利用してウイルスを増殖させ、最終的に細胞が死んで細胞膜が破裂するときに中の増殖したウイルスがばらまかれ、他の細胞へ取り付いてさらに侵入、増殖…といった感じで増えていきます。結果、咽頭部が炎症(炎症は細胞が何らかの理由で壊死することを言います)を起こします。最悪のケースは肺や肺に近い呼吸器系で炎症、すなわち肺炎を起こし、呼吸が正常にできなくなると死に至る…というのが一般的な流感の感染の流れになります。
(新型コロナでは乾燥などで飛沫が微粒子となり、喉や鼻を通りすぎて直接的に肺や肺に近い呼吸器へウイルスが取り付くという事例があることが分かっています。主に鼻・喉の粘膜機能が弱っている高齢者等に多いらしいのですが、この場合肺などの呼吸器系から炎症し始めるため、発熱などの風邪の症状が出てから急に息苦しさを生じて症状が悪化する、という危険な症例が多いそうです)

 咽頭などで炎症が起こると人間は自己防衛のため、免疫機能(白血球、NK細胞、B細胞、T細胞、食中細胞、抗体などの免疫系細胞活動。ウイルス等の病原体を捕えて取り込む、ウイルス感染した細胞の機能を止めたり壊す、ウイルスが細胞に取り付くのを阻害する、といった免疫機能がある)が活動しやすい体温へと体温を上昇(38℃前後が良いらしい)させると同時に、原因であるウイルスを物理的に外へ追い出そうとつばや鼻水を多く出して水分で流し落とそうとし、また咳やくしゃみを出させて体外へ押し出そうとします。熱が出て鼻水や咳やくしゃみが出る、という症状は自己免疫機能の一環で、人間が自分の体を守るため自ら起こす、感冒(風邪)の二次的症状です。

(なので大人であれば発熱時はよほどの熱(おおよそ38.5℃以上)でなければ解熱剤を飲んではいけません。人間の正常な免疫機能を邪魔してしまうからです。健康な大人であれば、発熱後、普通の感冒や流感でも3日ほどで免疫機能は病原体をやっつけ?て熱は治まります。ですから熱が出たら消化の良い食事と栄養剤などを飲んでとにかく体を休めるのが最も正しい治療法と言えます。
 普通の風邪で熱が出て医者に行っても、感冒を直接的に治す治療法や薬はありません(流感についてはウイルス増殖を防ぐ有効的な薬(タミフル・リレンザ等)がありますので、急な高熱の場合は早めに医者へ行く方が良いでしょう。特に流感脳症の出やすい15歳以下の子供はなるべく早く行くべきです)。抗生物質も感冒そのものに効果がある訳ではありません。あくまで解熱、咳止め、胃腸薬といった対処療法の薬を処方されるだけですので、高熱が出た場合(おおよそ38.5℃以上。15歳以下の子供の時は38℃以上の熱があるとき)や咳・のどの痛みがひどくて眠れない等といった自宅で療養するのに支障がある事態でなければ、感冒(風邪)で医者に行くのはよろしくないと言えます。)

 さらに4日経っても熱が下がらなかった場合は感冒ではなく肺炎の疑いが出てきます。これは「肺炎の4日ルール」といって4日以上熱が続いた場合は肺炎を疑うという、医療現場では常識なんだそうです。ゆえに新型コロナの政府情報でも、熱が出たら3日間は自宅で休み(待機し)、4日間37.5℃以上の熱が続いた場合は相談センターや保健所、かかりつけの病院等へ連絡するように、と要請している訳です。また高齢者の方、持病がある方、妊婦の方は2日間37.5℃以上の発熱が続いた場合、電話相談するように、とされています。<-5月14日より、保健所のガイドラインが見直され、4日間以上風邪の症状が続いた場合と、4日以内でも風邪の諸症状に加えて少しでも息苦しさを感じるような場合は、熱が高くなくてもすぐ保健所等へ電話で問合わせするように変わりました。
 なお、60歳以上の高齢者の方、持病(呼吸器疾患、肺疾患、糖尿病、腎臓疾患、循環器疾患、高血圧、心臓疾患、その他)がある方、妊婦の方は、発熱等風邪の症状が出た段階で早めに相談センターや保健所、かかりつけ医院等へ一度電話問い合わせをした方が良いと考えています。また発熱等の風邪の症状の他に息苦しさ、倦怠感、味覚・嗅覚異常、下痢などが見られることもあるそうですので、それらの症状があるときも早めに電話相談した方が良いです。

 あと、現状では新型コロナに一番感染しやすい場所の一つに病院・医療機関があります。多くの人が風邪の症状が出た時にただの風邪だと思って電話相談などせず直接病院へ行ったりするからです。現在の状況で風邪の症状で直接病院へ行くのは、新型コロナ感染拡大を防ぐという点から絶対にしてはいけない行為です。そして残念ながら、現状では病院の待合室等での院内感染が感染拡大の要因となってしまっています。どうしても行く場合は必ず病院へ電話をしてから行くのが良いです。現在は薬の処方箋をもらうだけならば電話だけで済むような対策が取られているはずですので、緊急でない場合は病院・医療機関へは極力行かないようにしてください)




 それでは、飛沫感染症にうつらないためには何をするべきでしょうか。
 飛沫に接触しない、吸わない、というのが大事になります。ウイルス感染者の免疫機能の一環で体外へ押し出されるウイルスを含んだ水分やウイルスの飛沫を介して感染するからです。

 さらにこういった飛沫感染症の感染経緯を調べた研究結果をみると、実のところ7割以上の確率で人間の手を介した感染が多いことが分かってきています。つまり、感染者が咳・くしゃみを手のひらで受けて、その手で人間生活に欠かせないあらゆる物を触ります。それを他の人が触り、その手で鼻や目を触ったり食べ物などを素手で食べたりして感染するのです。人間がその生活をする上で手は必ず使うもので、手で触れなければ使えない物は山ほどあります。
 具体的には、扉・戸の取手(ノブ)、照明のスイッチ、エレベーターのスイッチ、階段・エスカレーターの手すり、水道の蛇口、水洗トイレのレバー(カラン?)、鍵、機械・電化製品のスイッチ類などなど、挙げればキリがありません。そういった物の中で特に不特定多数の人が触るであろう公共の物は、感染の原因となる可能性は非常に高いと言えるでしょう。
(新型コロナウイルスは、物に付着したウイルスの残存時間はおよそ半日~2日と言われています。特にプラスチックや金属などのつるつる・すべすべしたような面に付いたウイルスはおよそ2日間と長く残存するようです。ドアノブや手すり、機械のスイッチ類等には十分注意した方が良いかもしれません。特にスマホは主に手を使うしつるつるしてるし、危険な物と言えます。時々消毒・殺菌した方が良いかもしれません)

 で、人間は何気ない動作の中で無意識に顔の周りを手で触ってしまう生き物です。私もきっとあなたも、頬杖をついたり鼻をすするときについつい鼻や口の周りを手で触ってしまっているはずです。
(頬・鼻を触ったり頭を掻いたりすると心理的に気持ちが落ち着く効果があるからです)
 そうやって口や鼻などの周りに着いたウイルスなどが口腔内に入り感染する、というケースが非常に多いと考えられます。



(なお、この記事は私が面倒くさがりなのもあって汗、基本文章のみです。視覚的に分かりやすいものとしては→こちら の九州大 矢原教授がまとめたものを見ていただくと良いかと思います)

 主な感染経路は「手」を介す、と分かればとるべき有効な対応は見えてくると思います。まずは手洗いの徹底です。特に外出後の帰宅時には(できれば家の中に入る前に家の外で)しっかりと手洗いをしましょう。
 効果的な手洗いは、流水で流しながら20秒間手をしっかり洗うことです。重要なので具体的にもう一回言います(笑)。水道の蛇口からジャーっと流れ出る流水の中に手を入れ水で流し濡らせ続けながら、20秒間かけて手をこすり洗います。これが最も効果的な手洗い方法です。
 これ、ちゃんとやってる人はほとんどいないかと思います。多くの皆さんは、石けん等をつけたあと、泡立たせながら泡でしっかり手を洗いますが、流水で泡を流す時は結構適当に流しているであろうと思います。しかしそれでは不十分なんです。大事なのはその流水で流すとき。ジャーっと流水の中に手を入れ続けながら、手をこすり、手の指先・指の腹をこすり、親指周りを握るようにこすり、手の平を猫の手にした爪でこすり、手の甲をこすり、手首を握るようにこすり…と流水で洗い流し続けます。当然左右両方の手をよく洗い流しましょう。特にあちこちよく触る指先(爪先)と指の腹はしっかりよく洗ってください。よく石けんの泡で丁寧に洗う(泡立てる?)時の動作を、流水で流しながらやるような感じです。なお、普通の固形石けんの泡で手をしっかり洗う(こすって泡立てる)ことも、ウイルスを洗い流すのにとても効果があります。なので、手を石けんの泡で20秒以上かけてしっかりと洗った後に、同じように流水でもしっかり20秒以上かけて洗い流し続ける、というのが最も効果的な手洗い方法だと思います。

 これを外出から帰った後にしっかり行うことが、大切だろうと考えます。
 冬の時期の水は冷たいし、手が荒れるからと流水で手を洗い続けるのは大変かもしれませんが、この方法がウイルスを落とすのに一番効果的です。水はあらゆる物質を取り込もうとする性質があり、その性質は非常に強力で、流水で流し続けながら手を洗うことはウイルスを流し落とすのに効果的なんです。特に石けんが無いような所で手を洗う時は、流水で流しながらしっかりと手を洗うことは重要です。

 手洗いの具体的方法は以上の通りですが、手洗いの後にさらに顔をしっかり洗うことも大事です。上でも述べましたが人間は無意識に顔周辺を触ってしまう生き物です。外出から帰った後はすぐにしっかり顔を洗いましょう。
 さらに口をすすいでうがいをし(歯磨きも効果的です)、鼻の周りや中を洗い、耳をぬぐうように洗い(水で濡らした手でぬぐうように)、髪の毛もぬぐうように洗い、と一通り顔・頭をきれいにしましょう。その後、もう一度流水で20秒かけて手を洗いましょう。
 できれば帰宅後すぐにシャワー・入浴し、着替えをするのがベストです。(これらは花粉症対策にも有効です)

 また外出時では、手で顔を触れないように努力することも大切でしょう。人は無意識で顔を触ってしまうので、外出時は特に意識して顔・頭、首から上の部分は手で触らないようにします。


 次の対策としては不特定多数の人間が手で触る物・部分を、直接手で触らないように心がけることです。

 ドアはノブを肘などで回し肩や足などを使って開けます。ただ押せば開けられる扉なら手は使わず肘や肩や体で押して開ける。ふすまとか引き戸なら引手(取手?)部分を触らないように、また他の人が触らなさそうな高い位置のへり(ふち?さん?わく?)などをなるべく指を使わないよう手のひらや手首辺り、足(行儀悪いけど汗)などを使って開けます。 閉めるときも肘や体や足で閉めます。イメージとしては両手が塞がった状態で戸を開け閉めする…ような感じです。一方古い?丸いタイプのドアノブはしっかり握らないと開けづらいのですが、指先がなるべく触れないにように手の平で握るようにして開けると良いと思います。

 どうしても手で触れなければならないときは、なるべく指先・指の腹で触らないようにするのがベターです。指先、指の腹は現代の人間が一番よく使う部分です。家電のスイッチやスマホなど、指先・指の腹を使うものは非常に多いです。また顔や鼻を触ったり掻いたりするときも指先や指の腹を使うはずなので指・指先はなるべく使わないようにする方が良いのです。

 階段やエスカレーターの手すりもなるべく使わない、触らない方が良いです。肘や腕などをうまく使うようにすると良いでしょう。しかし、足や膝が悪い方は手すりはしっかり使ってください。転倒・転落のが危険ですから。手すりを使ったならば、そのあとはなるべくその手で顔などを触らないようにして、早めに手洗いやアルコール消毒をしましょう。

 エレベーターなどのスイッチ類は手の甲の外側、手を軽く握った薬指や小指の第二間接・第三関節の山?を使うと良いです。指・指の腹はなるべく使わない方が良いです。
 照明等のスイッチもなるべく指・指の腹は使わずに、手の甲や手の外側(手刀・チョップみたいに)とか肘などを使いましょう。紐を引っ張るタイプは多くの人が触るであろう紐の下の方ではなく、紐の真ん中あたりか上の方をつかんで使います。
 スイッチ類など、どうしても触らなくてはならないものはなるべく指先・指の腹を避けて使用すると、感染のリスクを減らすことができます。しかしながら、手にウイルス等が付いている可能性は高いので、なるべく早く手洗いや消毒をするべきでしょう。

 トイレは現在感染リスクが高いところ、と言えるかと思います。しかしながら、ある程度手で直接的に触るのは仕方がないと思われます。そのため、使用後には必ずしっかりと手洗いをすると良いです。便座やフタなどを触る時・座る時は、トイレットペーパーを使って直接触らないようにしたり、除菌液などが備え付けてあればそれを使って良く拭き取ります。用を足した後で手洗いをするまではウイルスが他へ付着しないように、なるべく手で顔の周りや服など自分の体をなるべく触らないようにします。また用を足してに水を流すときは、便器にフタがあるなら必ずフタを閉じてから流しましょう。(トイレを流すときは水流によって水が飛び跳ね、多くのしぶきが発生します。それによりウイルスが周囲に飛び散る可能性があります) 次にトイレ使用後の手洗いの時、水道がセンサーで自動で出るタイプは手が触れないので良いですが、蛇口をひねるタイプは手で触る部分をよく水で洗い、それから手洗いをしっかりして水を止めるようにします。または、紙のお手拭きの備え付けがあればそれを使って直接蛇口を触らないようにして締めると良いです。
 トイレが個室のタイプ(小さい居酒屋などの、一つの空間にトイレ、手洗い等一式備えてあるトイレ)だと手を洗った後に鍵を開けたり戸を開けたりしなくてはならないので、非常に難しいです。戸の開ける時にトイレットペーパーや紙のお手拭きを使うのが良いでしょう。手洗い後、紙を使って直接手で触れないように鍵とノブを開け、肩や肘で戸を開けつつ紙はゴミ箱へ捨てて外に出る、というのが良いかと思います。

 ひと通り、公共の施設で手で触れそうなものを、どうやってうまく直接手で触れないように使うか、挙げてみました。参考にしてみてください。手洗いの徹底と、公共の物を直接手で触れない努力をすれば、かなりの確率で飛沫接触感染を防ぐことができます。

(新型コロナウイルスでは、特に大便(トイレ)と靴(床)に注意が必要だと言われています。
 大便(トイレ)は、感染者のつばや鼻水などの飛沫よりも、大便に含まれるコロナウイルスの方が長期間検出されることが指摘されています。長い人でおよそ1ヶ月間ほど大便からウイルスが検出され続けるようです。また感染者の一部に下痢の症状が出ることも分かっており、症状が出ていない感染者でも大便からウイルスが検出されることも分かっているので、不特定多数が使用する公共のトイレは実のところかなり感染の可能性が高い場所だと考えられます。なので上で述べたように、便座等の殺菌とトイレで水が飛び散らないように配慮する必要があると考えます。便器のフタがあればトイレを流すときは必ずフタを閉じてから水を流しましょう。また大便をする前にあらかじめ溜まっている水の水面にトイレットペーパーを浮かべておくと用を足すときの跳ね返りが少なくなります。流す前にも大便と水面全体にフタをするようにトイレットペーパーを載せて?おくと、流すときの飛び散りを少し減らすことができます。ただしあまり紙を使いすぎるとトイレのつまりの原因となるので、ほどほどにして便器のフタを使う方が賢いと思います。また大便器に小便をするときは必ず座って(又はしゃがんで)用を足すべきだと思います。男性の方は特にお願いしたいです。なお、フタがほぼない和式(トルコ式)の場合は流すときにどうしても水の飛び散りが発生してしまいますので、流す前に身支度を全て整えて立ちあがってから流すようにしましょう。また流したらすぐ外へでるとか、すぐ便器から離れるとか、背を向けて息をなるべく止めるとか?、何かしらの対策がいるかもしれません。

 トイレでは、流すときに水が飛び散り、トイレの床にウイルスが付着するケースが多いことが分かっています。その後、床に付着したウイルスを靴などで踏んで底にウイルスが付き、その靴であちこち歩いてウイルスを床に付けつつ広めて歩き、それをまた別の人が踏んで広めていく…といったケースがあるようです。トイレでなくても、くしゃみや咳などで床に飛沫が飛び、それを靴で踏んで靴を介してウイルスを広めていくこともあります。特に公共施設や商業施設などの床はビニル製などでつるつるしてますので、ウイルスの残存期間は長いと考えます。そのウイルスが付着した床に物を落として拾ったり、誤って靴を手で触ったり、子供が転んで手を付いたり、また靴についたウイルスを自宅まで運んだり…、と考えれば靴(床)を介する感染も十分考えられます。ゆえに帰宅時に靴(靴底)の消毒も必要となってくるでしょう。消石灰や1cm位に張った消毒液に靴を入れて消毒という本格的な消毒も必要かもしれませんが、台所用塩素系漂白剤を水で薄めた液で湿らせた雑巾やマットなどを踏んで消毒するという手が考えられます。床の消毒には、除菌効果のあるウェットワイパーや台所用塩素系漂白剤を薄めた水で雑巾がけをすると良いです。特に感染者または感染が疑わしい人が自宅待機するときなどは、トイレの便器周り(特にフタの裏や便座等)やトイレの床、廊下・フローリング、スリッパなどの掃除も重要となってきます。

 以上を総合的に考えると、現状では外出時の公共トイレはなるべく使わないようにするのがベターなのかもしれません。長時間外出する時などは致し方ないと思いますが、近所への買い物などの短い外出ではなるべく外でトイレは避けるようにすべきかと思います)



 ではその他に、感染のリスクがありそうな場面・場所を具体的に考えてみましょう。

 まず、風通りの少ない室内空間に、不特定多数の人が、手が届くくらいの範囲に密集して長時間一緒にいるような場所。具体的には、学校の教室、病院、オフィス、会議室、室内の催し物会場、電車、バスなどでしょうか。人混みの室内でも、プールや温泉・銭湯などでは湿度が高いので意外と感染リスクは低い(ウイルスは湿気に弱い)のですが、プール・浴室以外の脱衣所、扉等では飛沫接触感染等の可能性はあります。

 もう一つ感染リスクが高いのは、飲み会・食事会など同じ室内空間で同居人以外の多人数で会話をしながら飲食をすることです。飲食をするときはどうしてもマスクを外さざるを得ないし、飲み会だと酔って盛り上がったりしてはしゃいだり大きな声を出したときに飛沫が周囲の人へ飛んだり、その飛んだつばが付いた食器・食べ物等を皆で触ったり食べたりすることになり、感染のリスクが非常に高くなると考えられます。こういった飲み会・食事会は、今の市中感染が広まりつつある中では行うべきではなく、できれば止めるべきだと思います。

 政府有識者対策会議の3月2日発表の中で、今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大(集団感染、クラスター感染)の一番多いケースが、この飲み会・パーティ等での手が届くくらいの近い距離(唾が飛んで届くくらいの距離)で大勢で飲食をする、という状況だそうです。他に、ライブ会場やスポーツジム、カラオケ(完全な個室のカラオケボックスは除く)などが感染しやすい環境と指摘されていました。(激しく動いたりするのでマスクをしない、してられないから感染拡大するのではないかと考えられます)
 特に、感染していても体力が十分で症状が出にくい10代後半~30代くらいの若い世代の方が多く集まりそうな場所なので、気付かないうちに感染を拡大させているのではないか?とみられています。飲み会・パーティ・ライブ等ができないのはつまらないかもしれませんが、感染拡大が懸念される間は自粛をした方が良いです。自分が感染を広めるきっかけとならないよう、若い方には特に気を付けていただきたいと思います。

(新型コロナ感染症の感染時の発症初期の症状としては、一般的な感冒(風邪)の症状(発熱、咳、鼻水等)が現れ、特に発熱(微熱、発熱の兆候含め)と咳の症状が多いと報告されています。熱や咳が出たら、すぐに新型コロナを疑い、保健所や医療機関等へ電話で連絡をしましょう。その他の症状に、息苦しさ、強い倦怠感(だるさ)が伴い、また嗅覚・味覚異常、下痢の症状が出るそうです。これらの息苦しさ、だるさ、嗅覚・味覚異常、下痢の症状がでた場合でも、できれば早く保健所や医療機関等へ電話問合せをした方が良いです。
 さらに感染者の発症症状の割合を多い順に見ると、約6割が発熱、約4割が咳、約3割が息苦しさと倦怠感といった順に多く、あと1割前後の割合で嗅覚・味覚異常と下痢、といった感じになっています。現状では熱が出たら新型コロナを疑う、というのは間違いではないと言えます。また、何より問題なのは感染者の約4割が無症状であるということでしょう。

 またWHOの発表では、新型コロナは発熱・咳等の症状が出てからおよそ3日間が他者への感染事例が多いということです。感冒の症状が出ていない感染者の他者への感染事例は少ないそうで、軽い風邪の症状が出た人が少し無理していつも通りの生活をして感染を広げている可能性が高いようです。重くても軽くても風邪の症状(熱や咳、倦怠感、のどの痛みなど)が出たら、すぐに仕事・学校等の外出を止めて4日以上の自宅待機がしやすい環境を整えることが重要ではないかと考えます)


 室内・屋内においては、マスクをすることは必須です。マスクは良く言われる高機能のマスクでなくてもガーゼ(布)タイプでも十分だろうと考えられます。布マスクをしていればつばや鼻水のしぶきは予防となりますし、ガーゼの中が湿気によって湿度が上がるので、ある程度のウイルス予防の効果があり、またもし感染をしていても周囲へ飛沫を飛ばすのを減らすことができます。ただし布マスクはガーゼ内で病原体が繁殖する可能性があるので、長時間の使用は避けて、できれば4~5時間ごとに交換し、洗濯した清潔なマスクを使うようにしましょう。
 マスクがなくても、口と鼻をハンカチやタオルで押さえているだけでも効果はあります。しかし、適当に着けていては意味がありません。苦しいかもしれませんが、しっかり口と鼻をカバーするように装着しましょう。
(そもそもマスクは直接的な予防効果は低い、という専門家もいます。ウイルスや細かい飛沫は小さすぎて医療用等の本格的な高性能マスク以外の普通のマスクではマスク周りの隙間などから入り込んでしまうからです。しかし大きい飛沫ならば通常のマスクでも防ぐ効果があり、加えてマスクにより直接手で口・鼻を触りにくくなることと、マスク内の湿度が上がることにより、感染予防効果がある考えられます。ガーゼマスクでも飛沫は通りにくいので、やはり現状ではマスクをする価値はあると思います)
(最新の研究では、一般的な使い捨て不織布マスクのウイルスカット率は50%くらい、ウレタンなどの布マスクは30%以下くらいだそうです。やはり低めではありますが、それでも約半分のウイルスが防げるのは「効果ある」と考えるべきでしょう)


 ちなみに屋外においては、人混みのように他人と手が届くような距離まで近づくような場面でなければ(2m以上離れていれば)、感染のリスクは高くありません。屋外では状況によってマスクも必要ないでしょう。(ウイルスは基本的に人対人でしか感染しませんので、人混みでなければマスクは必要ないです) 人が少ない屋外での散歩・ジョギング、公園などでは感染のリスクは低いと言えます。しかし、公園の遊具や公共トイレ、水道などでは手で触ることによる感染の可能性があります。
(ジョギングなどでは前の人の呼気を後ろの人が吸ってしまうリスクがあるそうです。なので集団で走る時はなるべく横に並んで走るとか、前後は4mほど間を空けた方が良いそうです)


 他に、咳やくしゃみのエチケットは重要でしょう。テレビなどで言っているように咳やくしゃみは肘の内側に向かってしましょう。(できればマスクをしていても) 多くの人がしているであろう、手の平で受けてしまうのは、もし感染してたら手にウイルスを飛ばして塗りたくったような状態になります。その手で、ドアノブやスイッチ類を触れば、ウイルスを広めてしまう原因を作ることになります。あなたが感染していなくても、この時期の周囲への配慮として、咳エチケットは励行するべきです。
 また、もし新型コロナに感染していても体力がある方は発熱などの症状が出ない場合もあり、そういった時に咳エチケットをしていなければ、知らない間に周囲へウイルスを広めてしまうことになります。現状では新型コロナがどの程度流行していて、誰が感染しているかは分かりにくい状況になってきています。「自分ももしかしたらすでに感染しているかもしれない…?」と思って他人へウイルスを飛ばさない、感染を広めない気持ちで生活・行動することは、重要な事だと考えられます。

 あとアルコールなどの消毒もお店などの入口に置いてあるなら、積極的に使うようにしましょう。ベストなのは店内に入る前と、店から出る時の2回消毒すること。ウイルスを屋内へ入れないこととウイルスを付けて帰らないことは、流行をさせないためにとても重要といえます。せっかくお店の好意で置いてあるのですから、積極的に利用させてもらうべきです。



 以上、流感、新型コロナ感染症等の飛沫感染症対策について具体的にいろいろ考えてみました。あくまで私が知っている範囲の情報ですが、参考にしてみてください。

 今回の新型コロナで特に注意しなければならないのは、持病を持っている方、高齢者などの体力が十分ではない方でしょう。肺炎など重症・重篤化する可能性があります。それ以外の体力のある健康な方であれば、もし新型コロナに感染しても重症化することはあまりないと見られています。もし発症しても、現状の通常の医療環境が保たれていれば十分な治療が受けられますので、そんなに不安がる必要はないと考えられます。
 しかしながら、30代以下の若い方の感染重症化・死亡の事例も見られますし、3歳以下の乳幼児の感染重症化の事例も見られています。「若いから大丈夫」とは考えずに若い世代の方も十分に気を付けてください。

 また、新型コロナは流行状態になりつつあるので、これから数か月の間に急激に感染者が増える(爆発的流行、オーバーシュート)、といったことが起きるのが一番問題です。急激に感染者が増えると病院・医療機関がパンク状態になり、新型コロナにかかったとしても平常なら助かった命も、パンク状態で十分な治療が受けられず、死者が出てしまうことがあります。他の病気や怪我でも十分治療が受けられない…、ということも考えられます。中国やイタリア等で死者が多いのも一部地域で医療機関のパンクが起きたから、だと言えます。日本でもこの数か月が正念場でしょう。ですから、上記で私が挙げた感染症対策は是非とも励行していただきたいと思います。

 と同時に私がもう一言いいたいのは、毎年流感(インフルエンザ)で500~2000人くらいの死者が出ているという事実です。
(流感の死亡原因には肺炎の他にインフルエンザ脳症などがあります。ウイルスが急激に増えるに従い免疫機能が異常反応し、体温をどんどん上げようとします。体温が39℃を越えてくると脳内の脳液が増えて脳内がむくみ、その圧力で脳が損傷を受けることがあります。その時に生命維持に関わる脳幹等が強く損傷を受けると重大な後遺症がのこり、最悪の場合は死亡に至ります。流感脳症は体が小さい子供に多く、中学生以下の子供は特に注意が必要です。高熱時の幻覚や異常行動はこの脳症による可能性が指摘され、子どもが38℃以上の熱が出た時はとにかく早く医者へ行った方が良いと考えます)
 今回の新型コロナの死者が感染者約800人中、10人超(R2.2.28.時)と考えれば、新型コロナよりも流感の方が流行による死亡の危険性が高いと考えるべきです。(大流行が起きてない現段階での話ですが…)
 流感の方が危険性が高いことを考えると、毎年の流行時期には、インフルエンザワクチン接種や手洗いなどの日常の上記感染症対策はしっかり励行するべきだと思います。今回の新型コロナの時だけ大騒ぎして、その感染が落ち着いたら誰も感染症対策をしていない…ということにはならないように、政府もメディアもしっかりと発信を続けていって欲しいと思います。


 最後に、現在新型コロナウイルス感染症が世界的流行し始めている中で、上記の飛沫感染症予防対策を意識して励行することは、結果的に爆発的感染を防ぎ多くの方の生命を救うことになります。その中にはきっとあなたの大切な人や愛する人、身近な人や家族も多く含まれるはずです。身近な人々から日本の人々、世界の人々、多くの人々を救う行為だと思って、感染症予防を励行していってください。決して甘く見たり楽観視したりしないでください。どうか、よろしくお願いします。

 いつも雑な長文で、すみません。どなたかの参考になれば幸いです。m(_ _)m



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松宮 湊人
40代、男、既婚、会社員。
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