怖い?電子マネーを考えてみる

少し前、ストーカーをしていた東京のとある駅員が、駅員であることを利用して、相手の電子マネーカード、パスモのデータを私用で閲覧し、その情報をウェブ掲示板などへ流出させた、という事件がありました。
電子マネーであるがゆえの怖い事件ですね。


さて、皆さんは電子マネーは日常的に使っていますか?
チャージすればチャージした分だけ、切符の代わりや買い物、何にでもまた何回も使えるし、小銭など現金を扱うわずらわしさもないですから、便利ですね。
スイカ、パスモ、エディ、クイックペイ、iD、ワオン、ナナコなどなど、多くの種類があり、使えばポイントも貯まるし、一石二鳥なところも良いところです。

と、さんざんよいしょ?しましたが、実のところ私は一枚も持っていません。
クレディットカードや普通のポイントカードは、たくさん持っていますしよく使いますが、電子マネーのICカードは一つも無いです。
携帯の電子マネー機能もロックしたまま、使ったこともありません。


なぜかというと、電子マネーは「怖い」と思っているからです。
電子マネーには、だれがいつどこで何を買ったか、そのすべてを詳細に記録する機能が付いているものがあります。
そこが、私には恐ろしい、と感じています。
(一部ポイントカードにもその機能が付いているそうです。「Tポイントカード」などの色々なお店でポイントが付けられる汎用性の高いカードです)


その機能は、カード利用者の購買傾向やニーズを把握し、顧客へのサービスを向上させるため、、、というのが名目です。
例えば、よく豚骨味のカップラーメンを買う人がいたとすると、次に出る豚骨味カップ麺の新商品をお知らせするメールや、人気の豚骨ラーメン店の紹介DMが来たり、といったサービスが提供できるので、顧客にも店側にもプラスになるそうです。
「それなら便利そう…」と思うかもしれませんが、私にはどうしても疑問符がつきます。
一番は、だれがいつどこで何を買ったか、そのすべてがデータとして記録が残ってしまう、ということがものすごく恐ろしいと考えています。

例えば、昨日コンビニで買ったもの、その袋の中身が全部記録に残るのです。
具体的には、所在地△区○○2丁目のコンビニ○○2丁目店で、住所が○×市△のカード利用者松宮湊人さん(3?歳)が、幕の内弁当(梅)、伊○衛門緑茶、週刊少年ジ○ンプ、エロ本△(汗)を何年何月何日の何時何分に買いました、、といった詳細なデータが記録されます。

さらに、便利だからと一枚の電子マネーカードで、電車や買い物などをすべて精算して、もし数年間使い続けたとしたら。
そのカードの持ち主が、どういう趣味趣向をもち、どういうものを買っているか、いつも何をどこで買うのか、どこの駅で電車に乗ってどこへ降りるのか、などなどのすべてのデータ(傾向)が記録に残るわけです。
買ったものやその量から推測すれば、何人で暮らしてるか、家族構成や子供はいるか、女性はいるかとかも分かってしまう。
乗り降りする駅から住所だって推測できるし、会社の所在地もだいたい分かる。
何時に出勤して何時に帰宅するのか、日常の行動パターンも分かってしまう。
日頃どういう薬を買っているかを見れば、その人の持病や健康的な悩みが分かってしまうし、ある日電車に乗らずにかぜ薬を買ったりしていたら、その日はかぜをひいて家で寝込んでいたのも分かる。
もっと恐ろしいことを言えば、避妊具をいついくつ買ったとかでその人の男女付き合いや夜の生活を推測できるし、女性用ナプキンをいつ買っているか調べれば、生理が大体いつ頃来ているかも推測できてしまうのです。
恐ろしいと思いませんか?
だから、私は電子マネーを一切使わないのです。

ちなみにクレディットカードの場合は、どこの店で何円の買い物をした、という使ったお店と払った金額しかデータは残りません。
何を買ったのか明細が残ることがないので、電子マネーほど恐怖を感じません。
だから、クレディットカードについては私はそれなりに使っています。
(基本は現金主義ですが)



さて、上で電子マネーの恐ろしさをいろいろ書きましたが、実際はその機能はまだ本格的に使われていない電子マネーのが多いです。
また、中には詳細なデータを記録する機能がない電子マネーもあるそうです。
(それがどのカードか分かれば良いんですけど、、)
各種それぞれの電子マネーは、電子マネーのスタンダードを狙ってそのシェアを増やすためまず普及に専念していることと、プライバシーの問題からまだ詳細データが残らないようにしているカードが多いようです。
しかし、使われてはいなくても上の機能は、電子マネーの基本的な機能として付帯していて、いつでもスタートできる状態といえます。
いつ何時、本格的に機能し始めるかは、わかりません。
ユーザーへ「何月何日から始めます」ときちんとお知らせしてくれれば良いのですが、本当にお知らせしてくれるかどうか、怪しいところです。
都合が悪そうなことはどこかにちょろっと書いておいて、いつの間にやら始めてるのが、企業の常套手段…といえるのではないでしょうか。
また、住所や名前など個人を特定できないようにして(中部地方の30代男性、みたいな形)、すでにデータを集めて集計している、、、はずだと思っています。
いわゆるビッグデータですね。
企業は年齢や性別による購買行動をデータとして集計し、マーケティング調査に使っている可能性はかなり高いでしょう。

それから、集められたデータが、その電子マネーの会社だけにきちんと留まっていればまだ良いのですが、この情報社会ではいつ何時データが漏れるか分かりません。
ネットからの不法アクセスから漏れたり、単純に社員がデータの入ったメモリやノートPCを紛失したということで流出することは、十分にあり得ます。
上記の事件のように、社員により悪意を持って流出させられてしまうかも知れない。


ていうか私は、そういう情報はいつか必ず流出するもの、と考えています。
どんなに強固なファイアウォールや防護策を作っても、人間の単純なミスで簡単に漏れるものです。
なので、情報を漏れても良いものとダメなものと、ある程度線引きしておいて、情報漏洩のリスクをなるべくコントロールするように、心がけています。
つまり、これについては漏れても平気、もしくは調べようと思えばいくらでも調べられてしまうような情報(例えば住所、名前、性別、年齢など)は、そんなには気にしない。
一方、自分以外の家族や子供に絡む情報とか、日常生活に深く踏み込むような情報については、かなり気を使って取り扱うようにしています。
だから、特定の人物の購買情報が事細かにデータとして残るような電子マネーカードは、すごく便利だとしてもなるたけ使わないようにしているのです。


深く気にしすぎ、最悪な方へ考えすぎだ、と色々な人に言われそうです。
でも、リスクは最悪を考えてからそれに応じて行動すべき、と言うのが私のモットーです。
違う話ですが、原発事故だって常に最悪を考えて動いていれば、あそこまで大きな事故にはならなかったでしょう。


この記事を読んだ方には電子マネーに潜む怖さを、多少は理解していただけたかと思います。
かといって、「電子マネーを使うな」と言うつもりはありません。
リスクをよく理解して、うまく使ってほしいと思っています。

例えば1枚のカードに偏りすぎないように、2・3枚のカードをうまく別々に使うとか。
情報漏洩したら嫌だなと思うような物を買うときは、クレディットカードや現金で買うとか。
彼を知り己を知れば、百戦して危うからず、、、。
リスクを知ればいかようにでも、その対策がとれるのです。

ちょっと最近電子マネーを使いすぎかな?、と心当たりがある方は、ちょっと使い方について再考してみることをお薦めします。

雑文、失礼いたしました。m(_ _)m

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