先日のニュースで「福島産米、残留放射能の暫定基準下回る、出荷が決まる」と報道されていました。
内容見るとちょっと首を傾げる報道でした。
風評被害を避けるためなのでしょう。
わざと情報を伏せてあるように思えます。
気持ちは分かります。
が、ここはあえて心を鬼にして、私の本音を言いたいと思います。


お米は、われわれ日本人にとって大切な主食です。
主食は毎日数回食べる、人が一番口にする食物です。
すなわち、もっとも安全が確保されていなければならない食物だと考えます。
お米以外の食物については、最悪多少汚染されていたとしても、一週間とか一月とかずーっと毎日食べ続けることはそうないと思います。
でも、主食たるお米は毎日食べるのが普通、当たり前です。
だからお米だけは、汚染が限りなくゼロに近くなくてはならないのです。
（同じように、毎日摂取しなくてはならない水や塩なども、汚染がゼロに近いほうが良いです）


さて報道をまとめてみますと、福島産のお米は県内約1200ヶ所の地点を調べた結果、すべての地点で国の暫定基準500Bq/kgを下回ったから出荷が出来る、という内容でした。
つまりは汚染がゼロでも500Bq/kgでも出荷が出来ることになります。
これでは残念ながら、今後の風評被害は避けられないでしょう。
前々からいろいろ言われているとおり、国の暫定基準は高い。
500Bq/kg以下だから出荷OKというのはちょっと…、と思う人がほとんどでしょう。
ましてや主食のお米です。
大人ならまだ良いかも知れませんが、子供には正直食べさせられないと思います。


テレビの報道は、総じてそこから先の踏み込みはほぼ無し、でした。
翌日の新聞はやや踏み込んだ情報があり、全調査地点のうち、80％以上が放射能は検出されなかったそうです。
でも、逆に言えば残り十数％には500Bq/kg入っていてもおかしくないということになります。
また、一部は県が買い取る、とも書いてありました。
汚染が高いものは県が全部買い取るのかな？と思って新聞を見ましたが、そこについての詳しい情報はなし。
よく読むと、以前の一次検査で500Bq/kg近い数値が出た田んぼを所有する農家の米だけを買い取る、としか取れない内容です。
また、実際の検査結果の詳しい数字の情報もありませんでした。
これも風評被害を避けるためでしょうか？
私は隠せば？余計に消費者は不安になると思うのですが…。


結局、福島県のホームページを見て調べました。
検査の詳細は下記のとおり。


福島産米の放射性物質調査(放射性セシウム残留量)
検知ゼロ　964ヶ所
100Bq/kg以下　203ヶ所
200Bq/kg以下　6ヶ所
300Bq/kg以下　0ヶ所
500Bq/kg以下　1ヶ所
検査地点計 1174ヶ所


以上。
詳細を見れば、心配しているほど残留放射能が高い地点は少ないことが分かります。
上の結果だったら、私ならこういう対策をとります。


100Bq/kg以下については、出荷OKにする。
それより高い地点については、田んぼごとにさらに細かい検査をして、100Bq/kg以下であれば出荷、それ以上は全量買い取り、または流通禁止にする。


このくらいやらなきゃ、消費者は買うかどうかの段階にすらならないでしょう。
100Bq/kg以下を出荷OKとするのでやや残留放射能はありますが、割合的には放射能ゼロが83％、100Bq/kg以下が17％となり、数字的にはそれほど問題ないと考えます。
最低大人なら問題なく食べられる数値だと思います。

では実際はどうか。
買い取りの詳しい情報は残念ながら手に入りませんでした。
しかし、どうも数値が高かった一つの農家のお米だけ買い取って、それ以外はすべて出荷されるようです。
つまり、福島産のお米は汚染がゼロのものがほとんどではあるが、ごく一部は最大500Bq/kg近く汚染されたお米が流通することになります。
これが最終結論です。
結局、はじめとあまり変わらない結果です。



これでは、風評被害は確実に出ると思います。
というより、現実的被害になる可能性が否定できません。
これは風評といえるのか？、それすら疑問です。
私は、家に子供もいるので、福島県産のお米は残念ですが絶対に買いません。
ていうか、これでは買えないです…。


行政には早急な方針転換をお願いします。
まだ間に合うと思います。
もう少し考えれば、消費者が買ってくれるような対応策が取れるはずです。
ぜひ再考をお願いしたいです。


(2011.10.30.一部修正)