2012/07/02
中国製品は今後値上がりしていく…はず
ちょっと経済的な話を。
どこもあまり触れられていないようなので、私が知ってる範囲ですが、触れておきたいと思います。
今後、中国製品は値上がりしていくのが確実と見られています。
なぜなら、中国政府が今後5年間で最低賃金を2倍に引き上げる、と決めたからです。
これはもう全人代?(じゃなくて中国の意志決定機関、中央委員会だったっけ?汗)で決まったことですので、実行されるのはほぼ確実です。
日本じゃ一年で数円〜数十円程度しか最低賃金が上がっていかないのを考えると、5年で2倍というのはかなり思い切った政策といえます。
最低賃金を上げ、人民の生活水準を押し上げるのがねらいです。
加えて、今や中国人労働者には多くの権利が認められ、一方的な解雇は認められないし、解雇の保証や退職金などなど、日本よりも就労条件が良い部分もあるほどです。
そして、いち早く賃金アップを決めた大手企業に対し、値上げがなかなかできない中小企業からは、次々と労働力が逃げる一方で、大手並みの賃金にしなくては労働者が集まらない、という職業もあります。
それにともない、中国人労働者の職業の選択が厳しくなり、いわゆる「3K」のような嫌がられる仕事には給料が良くても勤めたくない、という労働者も増えてきているそうです。
「Made in China」は出来はそこそこだけどとにかく安い、ということでありとあらゆる商品が「Made in China」に取って代わられました。
日本のみならず世界中を席巻し、多くの国の産業構造を変えてしまったほどのパワーがあります。
そして、今や日本で売られる商品の半分近くが中国製と言われるほど、身近な存在です。
その中国での賃金値上げにともなう「Made in China」の値上げは、決して他人事でなく、私たちの生活に関わる重要なことだと思います。
その割にいまいちみなさん知らないようで、何とも残念です。
私は、増税と同じくらい重要だと思うのですが、、。
これはマスメディアの怠慢でしょうか?
さて、中国の賃金が2倍になると、実際の製品にはどの程度影響が出るのでしょう。
機械生産による大量生産できるものは、機械の能力と企業努力があれば、2〜3割くらいの値上げですむと予想します。
思ったよりも値上げにはなりませんが、それでも値上げは値上げです。
今後消費税も増税となれば、家計へのダメージは少なくないと言えます。
大量生産できるものはまだ良いかも知れませんが、大量生産のできない人的労働力要素の強い製品は値上げ幅は大きく、1.5〜2倍近くの値上がりも十分考えられます。
例えば、私の本職の石材業。
石屋の世界は、中国製品による価格破壊と産業の転換にさらされ、今や石加工と石製品は8割以上を中国製品に頼っている状態です。
国内で加工された製品のほうが、めずらしいと言われる時代となってしまいました。
石の加工は人の手を介する加工が主体で、自動化・大量生産は難しく、労働者の賃金値上がりは直接製品の値上がりを意味します。
すでに、ここ一年で中国製品は1〜2割ほど値上がりしています。
私の予想では、あと数年すればほぼ倍くらいの値段になると考えてます。
安い中国製品によりお墓をはじめとする石製品は、良いものを安く提供することができるようになりました。
が、ここへ来て中国製品は値上がりが確実と見られ、じわじわ値段が上がっていくとみられます。
とにかく安くお墓を建てたい、と考えている方は少し急いだ方が良いかも知れません。
あと数年で工事費用が5割増しが当たり前、くらいになりそうです。
このように、安い労働力による人海戦術?で安く作られるような製品については、賃金値上げにより、大幅に価格が上がる可能性があります。
また、ここに円相場がからんでくるとやっかいです。
今、円は史上最高値の90円を切る水準で高止まりの傾向です。
あと2年はこの流れは変わることはないと思います。
円高のうちは、中国製品の値上がりも為替差で相殺され、際立った値上がりはないかもしれません。
しかし、もし流れが変わって円安に振れたとしたら、、、中国製品の値上がり幅は計り知れません。
もしかしたら、ものによっては倍じゃ済まないのかも、、。
この辺りも気にしていく必要はあるでしょう。
日本においては「Made in China」の質は、あまり良くない、まあ普通、くらいに考えている方が多いと思います。
しかし実のところ、最近の中国製品は、多くの日本人がイメージしているほど質は悪くありません。
低コストがメインの大量生産製品の質はまあまあ程度ではありますが、それなりにお金をかけて作った製品は正直良くできていると思います。
ものによっては「Made In Japan」以上の出来という製品もあります。
それだけ、中国の技術はレベルが高くなったといえるでしょう。
逆に、もはや安い労働力でとにかくコストを押さえた製品を大量に作り、たくさん売りさばく…みたいな発展途上的な経済期を過ぎつつあります。
中国は、次の経済段階へ進みつつある。
つまり、技術に見合ったコストを製品にしっかり上乗せしてくるはず、ということです。
大企業ならば、さらに安い労働力を求めてアジアの他の国へ工場を移すということも出来ると思いますが、資金力の弱い中小企業や石材業界のように労働者自体の技術要素が強い業界では、そう簡単に中国の外へ出ていくことは難しい。
わざわざ中国へ進出して、ようやく根付いたと思ったら、賃金値上げによる労働コストのアップ…。
企業によっては踏んだり蹴ったりなところもあるのかも。
さて、参考になったか分かりませんが、「Made in China」の値上げは少しづつ進んでいくと思われます。
ものによっては倍以上の値上げもありうる、と頭の片隅に入れておいて、今後厳しくなっていくであろう日本経済を、うまく乗り切る準備と心構えをしておいたほうが良いと私は考えています。
長文、失礼しました。
(2012.9.29. 加筆・修正)
どこもあまり触れられていないようなので、私が知ってる範囲ですが、触れておきたいと思います。
今後、中国製品は値上がりしていくのが確実と見られています。
なぜなら、中国政府が今後5年間で最低賃金を2倍に引き上げる、と決めたからです。
これはもう全人代?(じゃなくて中国の意志決定機関、中央委員会だったっけ?汗)で決まったことですので、実行されるのはほぼ確実です。
日本じゃ一年で数円〜数十円程度しか最低賃金が上がっていかないのを考えると、5年で2倍というのはかなり思い切った政策といえます。
最低賃金を上げ、人民の生活水準を押し上げるのがねらいです。
加えて、今や中国人労働者には多くの権利が認められ、一方的な解雇は認められないし、解雇の保証や退職金などなど、日本よりも就労条件が良い部分もあるほどです。
そして、いち早く賃金アップを決めた大手企業に対し、値上げがなかなかできない中小企業からは、次々と労働力が逃げる一方で、大手並みの賃金にしなくては労働者が集まらない、という職業もあります。
それにともない、中国人労働者の職業の選択が厳しくなり、いわゆる「3K」のような嫌がられる仕事には給料が良くても勤めたくない、という労働者も増えてきているそうです。
「Made in China」は出来はそこそこだけどとにかく安い、ということでありとあらゆる商品が「Made in China」に取って代わられました。
日本のみならず世界中を席巻し、多くの国の産業構造を変えてしまったほどのパワーがあります。
そして、今や日本で売られる商品の半分近くが中国製と言われるほど、身近な存在です。
その中国での賃金値上げにともなう「Made in China」の値上げは、決して他人事でなく、私たちの生活に関わる重要なことだと思います。
その割にいまいちみなさん知らないようで、何とも残念です。
私は、増税と同じくらい重要だと思うのですが、、。
これはマスメディアの怠慢でしょうか?
さて、中国の賃金が2倍になると、実際の製品にはどの程度影響が出るのでしょう。
機械生産による大量生産できるものは、機械の能力と企業努力があれば、2〜3割くらいの値上げですむと予想します。
思ったよりも値上げにはなりませんが、それでも値上げは値上げです。
今後消費税も増税となれば、家計へのダメージは少なくないと言えます。
大量生産できるものはまだ良いかも知れませんが、大量生産のできない人的労働力要素の強い製品は値上げ幅は大きく、1.5〜2倍近くの値上がりも十分考えられます。
例えば、私の本職の石材業。
石屋の世界は、中国製品による価格破壊と産業の転換にさらされ、今や石加工と石製品は8割以上を中国製品に頼っている状態です。
国内で加工された製品のほうが、めずらしいと言われる時代となってしまいました。
石の加工は人の手を介する加工が主体で、自動化・大量生産は難しく、労働者の賃金値上がりは直接製品の値上がりを意味します。
すでに、ここ一年で中国製品は1〜2割ほど値上がりしています。
私の予想では、あと数年すればほぼ倍くらいの値段になると考えてます。
安い中国製品によりお墓をはじめとする石製品は、良いものを安く提供することができるようになりました。
が、ここへ来て中国製品は値上がりが確実と見られ、じわじわ値段が上がっていくとみられます。
とにかく安くお墓を建てたい、と考えている方は少し急いだ方が良いかも知れません。
あと数年で工事費用が5割増しが当たり前、くらいになりそうです。
このように、安い労働力による人海戦術?で安く作られるような製品については、賃金値上げにより、大幅に価格が上がる可能性があります。
また、ここに円相場がからんでくるとやっかいです。
今、円は史上最高値の90円を切る水準で高止まりの傾向です。
あと2年はこの流れは変わることはないと思います。
円高のうちは、中国製品の値上がりも為替差で相殺され、際立った値上がりはないかもしれません。
しかし、もし流れが変わって円安に振れたとしたら、、、中国製品の値上がり幅は計り知れません。
もしかしたら、ものによっては倍じゃ済まないのかも、、。
この辺りも気にしていく必要はあるでしょう。
日本においては「Made in China」の質は、あまり良くない、まあ普通、くらいに考えている方が多いと思います。
しかし実のところ、最近の中国製品は、多くの日本人がイメージしているほど質は悪くありません。
低コストがメインの大量生産製品の質はまあまあ程度ではありますが、それなりにお金をかけて作った製品は正直良くできていると思います。
ものによっては「Made In Japan」以上の出来という製品もあります。
それだけ、中国の技術はレベルが高くなったといえるでしょう。
逆に、もはや安い労働力でとにかくコストを押さえた製品を大量に作り、たくさん売りさばく…みたいな発展途上的な経済期を過ぎつつあります。
中国は、次の経済段階へ進みつつある。
つまり、技術に見合ったコストを製品にしっかり上乗せしてくるはず、ということです。
大企業ならば、さらに安い労働力を求めてアジアの他の国へ工場を移すということも出来ると思いますが、資金力の弱い中小企業や石材業界のように労働者自体の技術要素が強い業界では、そう簡単に中国の外へ出ていくことは難しい。
わざわざ中国へ進出して、ようやく根付いたと思ったら、賃金値上げによる労働コストのアップ…。
企業によっては踏んだり蹴ったりなところもあるのかも。
さて、参考になったか分かりませんが、「Made in China」の値上げは少しづつ進んでいくと思われます。
ものによっては倍以上の値上げもありうる、と頭の片隅に入れておいて、今後厳しくなっていくであろう日本経済を、うまく乗り切る準備と心構えをしておいたほうが良いと私は考えています。
長文、失礼しました。
(2012.9.29. 加筆・修正)
一点、書き忘れていたことがあったので、追記します。
中国の経済に絡んで、値上がり以前の不安材料がひとつありました。
欧州危機に絡んだ中国の経済の減速と、膨らみすぎた中国不動産バブルの懸念です。
特に、2年前あたりから頭打ちが見えていましたが、中国国内の不動産バブルがやばそうな感じがあります。
また欧州危機を背景にした世界経済の停滞で、中国経済全体がそれなりにダメージを受けています。
それがどう不動産業界へ影響してくるのか?
膨らみすぎた中国の不動産バブルがもしも一気にはじけたとき、一体何がどうなるか予想がさっぱりつきません。
バブル崩壊の後、どこのどの会社がつられて倒産するか読めません。
しかし、もしはじけたら多くの会社が倒産や閉鎖に追い込まれることは十分推測できます。
先にも言ったとおり、「Made in China」はすでに世界中に広まっています。
「Made in China」が一気に止まることによって、世界にどのような影響をあたえるのか?
規模が大きすぎて、正直まったく分からないのです。
中国不動産バブルが本当に崩壊するかしないかも、実のところ微妙です。
起きるかもしれないし、起きないかもしれない。
もしも起きたとしたら、世界中を巻き込んだとんでもない危機が来るかもしれないし、中国政府に強く統制された経済のために実は大したことがないのかもしれない。
そして、そのとき日本経済がどうなるか?
とんでもない円高が始まるかもしれないし、逆にいろいろ会社が倒産して一気に円安になるかもしれない。
予測はまったくつきません。汗
それでも、「そういう事があるかもしれない」という事を、頭の隅に入れておいたほうが良いでしょう。
他にも、シャドーバンクとか大気汚染とか民族運動とか官僚汚職とか、中国には懸念材料がいっぱいあります。
その何らかの「兆し」を決して見逃さないように、今後も注視していく必要があると思います。
(2012.8.10. 追記)
(2014.3.20. 加筆・修正)
中国の経済に絡んで、値上がり以前の不安材料がひとつありました。
欧州危機に絡んだ中国の経済の減速と、膨らみすぎた中国不動産バブルの懸念です。
特に、2年前あたりから頭打ちが見えていましたが、中国国内の不動産バブルがやばそうな感じがあります。
また欧州危機を背景にした世界経済の停滞で、中国経済全体がそれなりにダメージを受けています。
それがどう不動産業界へ影響してくるのか?
膨らみすぎた中国の不動産バブルがもしも一気にはじけたとき、一体何がどうなるか予想がさっぱりつきません。
バブル崩壊の後、どこのどの会社がつられて倒産するか読めません。
しかし、もしはじけたら多くの会社が倒産や閉鎖に追い込まれることは十分推測できます。
先にも言ったとおり、「Made in China」はすでに世界中に広まっています。
「Made in China」が一気に止まることによって、世界にどのような影響をあたえるのか?
規模が大きすぎて、正直まったく分からないのです。
中国不動産バブルが本当に崩壊するかしないかも、実のところ微妙です。
起きるかもしれないし、起きないかもしれない。
もしも起きたとしたら、世界中を巻き込んだとんでもない危機が来るかもしれないし、中国政府に強く統制された経済のために実は大したことがないのかもしれない。
そして、そのとき日本経済がどうなるか?
とんでもない円高が始まるかもしれないし、逆にいろいろ会社が倒産して一気に円安になるかもしれない。
予測はまったくつきません。汗
それでも、「そういう事があるかもしれない」という事を、頭の隅に入れておいたほうが良いでしょう。
他にも、シャドーバンクとか大気汚染とか民族運動とか官僚汚職とか、中国には懸念材料がいっぱいあります。
その何らかの「兆し」を決して見逃さないように、今後も注視していく必要があると思います。
(2012.8.10. 追記)
(2014.3.20. 加筆・修正)